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京都国際万感V、京都勢として68年ぶり頂点…延長タイブレイクで関東一に競り勝つ「幸せ者だ」 

読売新聞 / 2024年8月24日 7時6分

 第106回全国高校野球選手権大会第14日の23日、初の決勝進出を果たした京都国際は、延長タイブレイクで関東一(東東京)に2―1で競り勝ち、京都勢として68年ぶりに頂点に立った。十回に2点を奪うと、その裏の反撃を1点でしのいだ。エース中崎 琉生 るい投手、西村 一毅 いっき投手の二枚看板が隙のない継投で、相手打線を4安打1失点に抑え込んだ。優勝が決まると、歓喜の三塁側アルプス席でメガホンが揺れた。

沢田報われた苦労の日々 

 創部以来の初優勝に貢献したのは、15歳で北海道から京都へ渡った沢田遥斗選手だった。

 甲子園では毎試合安打を放って役目を果たした。決勝では、六回無死一塁、初球を指示通りにバントすると球は一塁線近くに転がった。球の回転を見てファウルにならないと確信、相手一塁手はラインのギリギリに落ちた球への反応が遅れ、安打となった。「どこのチームよりやってきた自信がある」。他の強豪校と比べてグラウンドが狭いことを逆手にとり、続けてきた小技の練習がいきた。

 甲子園出場の可能性がある京都国際に憧れて、親の反対を押し切って入学した。しかし、当初は北海道出身の高岸栄太郎選手とともにホームシックになった。「帰りたい」と母親に訴えても、反対していたはずなのに「自分で選んだ道だよ」と突き放された。1年秋からベンチ入りし、チームも強くなっていく。「こんなことをいっていられない」と切り替えた。

 優勝が決まると真っ先に駆け寄ったのは高岸選手だ。「ここに決めて、ほんとうによかったな」。強く抱き合って、北海道から出てきてからの苦労の日々をかみしめた。

 多くの観衆を前にグラウンドに集まり、仲間と優勝の喜びを分かちあう。小さい頃から夢見た光景に自分がいた。「めちゃくちゃ気持ちよかった。すごいことしちゃったんだ」。笑顔の下には、金色のメダルが輝いていた。(久保田万葉)

「みんなのため」意識に変化 

 「本当に夢みたい。日本一になれて幸せ者だ」――。藤本 陽毅 はるき主将は拍手に包まれた球場全体を見渡し、喜びに浸った。

 2年前の夏の甲子園では、1年で唯一レギュラー入りしたが「チームよりも自分を優先していた」。

 昨秋、近畿大会の直前に病気で入院したことが転機となった。主砲が離脱した中でもチームは奮起し、選抜への切符を手にした。

 周りに支えられていることを痛感し、「みんなのためにやらなきゃ」と意識が変わった。夏の甲子園経験者として、時間帯によって異なるボールの見え方や土の状況などを伝え甲子園を想定した練習を心がけた。

 チームは6試合で計66安打。「束になって、つないで勝てた。自分たちらしい」と胸を張った。

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