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25年かけ京都国際が頂点に…「学校おこし」で野球部を創部、男子生徒のほとんどが野球部員

読売新聞 / 2024年8月24日 9時44分

整列して校歌を斉唱する京都国際の選手たち(23日午後、兵庫県西宮市の甲子園球場で)=吉野拓也撮影

 第106回全国高校野球選手権大会で23日、京都国際が京都勢として68年ぶりの優勝を果たした。京都朝鮮中学をルーツとし、「学校おこし」で野球部を創部。外国人学校として初めて日本高校野球連盟に加盟した学校が、25年の時をかけて頂点に上り詰めた。

 決勝戦の延長十回タイブレイク、最後の打者を三振に仕留めて初優勝が決まると、奥井颯大捕手(3年)は歓喜の輪に交じった。

 2021年夏、滋賀県の中学3年だった奥井捕手は京都国際の戦いぶりをテレビで観戦し「守備が堅くて負けにくい。守備を磨きたい」と進学を決断した。部員は原則各学年20人で現在は3学年計61人。「少人数だから一人一人がたくさん練習でき、意見を言い合える関係性も深まる」とチームの長所を語る。

 野球部は1999年、当時の学校法人副理事長だった現野球部後援会長の キム 安一 アニルさん(82)が「野球で学校を活気づかせたい」と創部。当時は予備校などと同じ各種学校の「京都韓国学園」という校名で、日本高野連に外国人学校で初めて加盟を認められ、京都大会に初参加した。

 日本の学校教育法上の認可を受け、2004年に一般的な私立高として現校名となった。野球部は小牧憲継監督(41)を08年に迎え地道に強化。甲子園には21年春に初出場すると、同年夏に4強入りを果たした。金さんは「創部時は、甲子園での優勝は思ってもいなかった」と感慨深げだった。

 京都国際は男女共学で生徒数138人の大半が日本人。男子生徒のほとんどが野球部員で、OBにはプロ野球選手もいる。英語、韓国語の教育にも力を入れ、海外大学への進学実績もある。卒業時には日韓両国の高卒資格が得られるのが特徴だ。

 立命館大コリア研究センターの勝村誠センター長は「今回の優勝で、韓国に関心がある子どもたちが(学校に)集まるきっかけになったと思う。韓国語に触れ、現地を訪れて交流を深める人材が増えるきっかけになってほしい」と話した。

校歌の歌詞は韓国語

 校歌の歌詞は設立当初から韓国語で継承してきた。NHKの中継画面ではハングルに加え「学校から提出されたもの」として日本語訳も表記。歌詞には韓国が日本海の呼称として主張する「東海」が登場するが、日本語訳では「東の海」となっている。同校は校歌についての取材に「ノーコメント」としている。

 ネット上では京都国際に対する差別的な書き込みがあったとして、京都府は23日、京都地方法務局やSNS事業者に対して4件の削除を依頼したと明らかにした。府職員らがネットを監視し、今月中旬に選手らを侮辱する書き込みを見つけた。

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