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アメリカ金融政策、9月以降の利下げ幅やペースが焦点…FRB議長「政策調整すべき時が来た」

読売新聞 / 2024年8月24日 17時55分

FRBのパウエル議長

 【ジャクソンホール(米ワイオミング州)=田中宏幸】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が9月からの利下げ開始を事実上明言し、米国の金融政策は転換点を迎える。今後の焦点は9月以降の利下げ幅やペースに移る。インフレ封じのために高金利政策が続いた米国の政策転換は、世界経済にも影響を与えそうだ。

 23日の外国為替市場では日米の金利差縮小が意識され、円相場は一時1ドル=144円台前半と2円以上円高・ドル安が進んだ。

 パウエル氏は経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」の講演で、インフレ(物価上昇)が再び強まるリスクが低下していることを強調。「政策を調整すべき時がきた」と述べ、これまで示唆してきた9月利下げへ一段と表現を強めた。利下げは2020年3月以来4年半ぶりとなる。

 FRBは22年3月以降、歴史的なインフレの抑え込みを最優先し、異例とも言えるペースで利上げを進めた。その結果、22年6月に約40年ぶりの高水準となる9・1%を記録した米消費者物価指数の上昇率は、今年7月に2・9%まで低下している。

 パウエル氏は「インフレ率の低下に主眼を置いてきたことは適切だった」と振り返り、インフレとの長い戦いが終息に向かいつつあるとの認識を示した。

 一方で、FRBは雇用情勢への警戒感を強める。

 これまでの利上げで、政策金利は01年以来の高水準となる年5・25~5・50%に達している。高金利の長期化によるひずみは経済指標にも表れ始め、7月の雇用統計では非農業部門の就業者数が前月比11・4万人増と市場予想を大きく下回った。失業率は4・3%と21年10月以来の高さとなった。

 もっとも、4・3%の失業率は歴史的に見ればまだ低い水準だ。上昇の要因も景気後退時にみられるレイオフ(一時解雇)の増加によるものではなく、働きたい人が大幅に増えたことが大きいとされる。パウエル氏は「力強い労働市場を支えるために、できることは何でもするつもりだ」と力を込めた。

 今後の焦点は利下げペースだ。市場関係者の見通しを反映する米シカゴ・マーカンタイル取引所の予想データ(23日夜時点)では、9月の利下げ幅が0・25%と見込む投資家は76%、0・5%は24%となっている。

 金融分析などを手がけるカナダ・TDエコノミクスのトーマス・フェルトメイト氏は「9、11、12月の会合で0・25%ずつ利下げするとみている」とした上で「8月の統計で失業率の悪化が示されれば、利下げ幅が拡大する可能性が高い」と指摘する。

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