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高知の小4プール死亡事故、男児は「怖い」と話していた…監視役の教員ら7分間目を離す

読売新聞 / 2024年8月25日 10時50分

 高知市立長浜小4年の男子児童(9)が7月に南海中のプールで行われた水泳の授業中に溺れて死亡した事故で、市教委が設置した第三者検証委員会の第1回会合が24日、市内で開かれた。事故当日の一連の経緯をまとめた資料が開示され、学校側の安全対策の不備などが明らかになった。(石渕譲)

 検証委は、弁護士や医師、水難学や教育学の専門家、日本ライフセービング協会の副理事長など7人で構成し、高知弁護士会の中内功氏が委員長に就任した。

 会議の冒頭では、関係者らが亡くなった男児に黙とう。松下整市教育長は「大切な児童がお亡くなりになる事故を発生させた。何よりも安心・安全を優先しなければならない学校現場で起きた。教育行政の責任者として責任を感じている」と述べた。

 委員会では、長浜小のプールの授業が南海中で実施されるまでの検討状況や事故当日の経緯をまとめた資料が開示された。

 学校側は6月上旬、保護者に対して「(南海中のプールは)水を浅く張っているため長浜小のプールの深さ(100~120センチ)とあまり変わりません」と説明していた。しかし、プールの水位はその後、降雨や給水とみられる影響で上昇し、満水(120~140センチ)の状態になることもあった。これに対し学校側は水位を下げる対策を取らず、授業を続けていた。児童の身長は113・8センチだった。

 市教委は当初、亡くなった男児はプールの壁をつかんでバタ足をする練習をしていたと説明。しかし、同じ授業を受けていた児童への聞き取りなどから、男児の居場所はバタ足の前から確認できていなかった。事故当日、監視していた教頭は、男児が「怖い」と言うのを聞いていたが、教頭、教諭2人とも、溺れた男児が水中から引き上げられるまで、少なくとも7分間は目を離した状態となっていた。

 検証委は、会議の一部を非公開とした。議論の内容に個人情報が含まれていること、証言者が特定される恐れがあることなどを理由とした。委員らはその後、南海中のプールを現地視察した。

 報道陣の取材に応じた中内功委員長は「本来なら起きてはならない、二度と起こしてはいけない事案。事故の原因や再発防止策を検討する上でも、どういう経過・経緯で事故が発生したのかを解明することが重要だと思っている。事実の解明に全力を尽くしていきたい」と語った。

 第2回の検証委は9月30日に行われる予定。

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