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処理水の海洋放出1年、岩手産アワビは価格戻らず…県漁連会長「政府は現場の声を聞いて」

読売新聞 / 2024年8月26日 15時15分

処理水の海洋放出が始まった東京電力福島第一原子力発電所(2023年8月24日、福島県で、読売ヘリから)

 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出が開始されてから、24日で1年となった。中国は日本産水産物の輸入停止を継続しており、岩手県産アワビの価格が下落するなど県内でも影響が残る。県内漁業者からは、適切な補償や不安の 払拭 ふっしょく、丁寧な説明を求める声が相次いだ。

 中国で高級食材として取引されていた大船渡市のブランド干しアワビ「 吉浜干鮑 きっぴんかんぽう」は、処理水の海洋放出を受けて中国本土に輸出できない状態が今も続く。

 生産する男性(53)は、「春頃に干しアワビが仕上がったが、現在も在庫がほとんど残っている。国内の販路を広げようにも消費量が少ないため、とても追いつかない」と声を落とす。

 県漁連の山崎義広会長は、重茂漁協(宮古市)出身。処理水放出の影響で、同漁協では昨年のアワビの取引価格が前年の約半分に落ち込んだ。

 山崎会長は「漁師たちの生活に響き、実害を受けてきたと思っている。まだ補償問題も解決していない」と憤慨し、「放出ありきではなく、政府は改めて現場の声を聞いてほしい」と訴えている。

 三陸やまだ漁協(山田町)の鈴木雄寿参事は「ただでさえ温暖化の影響で漁師を取り巻く環境は厳しくなっている。処理水の問題が今後も長引けば、さらに先行きが見通せなくなる」と話した。

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