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76歳「バタフライ・マダム」、パラ戦士への思いと今後の目標語る…「家売ってでも卓球したい」

読売新聞 / 2024年8月27日 14時32分

練習に励む別所キミヱさん(8月7日、兵庫県明石市で)=池田亮撮影

 パリオリンピックの熱戦が繰り広げられていた8月上旬、バタフライ・マダムの姿は兵庫県明石市の卓球場にあった。別所キミヱさん、76歳。パラリンピックに4度出場したパラ卓球界の「レジェンド」だが、東京大会に続き、出場権は逃してしまった。そんな大ベテランに今の心境、パラリンピックの魅力、日本代表へのエールなどを語ってもらった。(デジタル編集部 池田亮)

 色鮮やかな (ちょう)の髪飾りから「バタフライ・マダム」と呼ばれる別所さん。2004年のアテネ大会から4大会に連続出場した。16年のリオデジャネイロ大会に出たのは68歳。今でも日本人の夏季パラリンピック最年長出場記録だ。

 車いすで街を行くと、別所さんは知らない人からもよく声をかけられる。

 「あら、別所さん、パリどうなりました?」「一緒に写真撮ってください」

 出場を逃したことを伝えると、みんな残念そう。「テレビで応援する楽しみがなくなったなあ」。そんな言葉に心苦しくも、つらくもある。

 今の心境を尋ねると、率直な気持ちを明かしてくれた。

 「パリのチョウチョのように、羽ばたいてみたかった。自分の人生も、卓球のプレーもずっと輝かせていたい。そのためにはもっと強くならないと」

 パラリンピックにはいろんな思い出がある。北京大会では、観客20人ほどが別所さんのサイン欲しさに列を作った。リオ大会では、現地の人が「あなたはここに来ただけで素晴らしいのよ。よく来てくれたわ」と歓迎してくれた。勝ち負けも大事だが、参加することで得られる人と人のつながりにも価値があると感じている。

 パリ大会に出場する日本代表には、そんなパラリンピックならではのホスピタリティーも楽しんでもらいたいと思っている。

 「3年間がんばってきたんだから、今さらがんばれとは言わない。国籍に関係なく応援してくれて、会場と一体になれるあの雰囲気。そこでプレーできる喜びを全身で受け止めて、味わってきてほしい」

 最後に、80歳で迎えることになる、28年のロサンゼルス大会を目指すのか聞いてみた。「高い目標を持つのは好きではない」とけむに巻かれたが、「(国際大会に出るために)家を売ってでも卓球をしたいし、強くなりたい」と情熱は衰えを知らない。飽くなき探求を続ける先には、ロサンゼルスにつながる道があるのかもしれない。

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