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車いすバスケットには「あの反則」はない…健常者バスケと同じルール、違うルール

読売新聞 / 2024年8月30日 12時29分

車いすをプッシュしながらボールを運ぶ

 パリパラリンピックの車いすバスケットボール競技で日本は男子が出場権を逃したが、女子代表が2000年シドニー大会(銅メダル)以来のメダル獲得を目指して30日(日本時間午後5時30分開始)の初戦で世界選手権優勝のオランダと対戦する。素早いパス回しや、車いす同士の激しい衝突シーンなど、迫力満載の車いすバスケは健常者の競技と同じコートを使い、ルールもほぼ同じだが、車いすならではの特別な規則もある。(デジタル編集部)

コートの広さ、リングの高さ

 車いすバスケは1960年にローマで開催されたパラリンピック第1回大会から行われる人気競技。使用するコートの広さやリングの高さ(3・05メートル)、リングの真下からスリーポイントラインまでの最長距離(6・75メートル)などは一般のバスケットボールと同じだ。

チーム編成は「持ち点」で

 障害の程度によって各選手の持ち点を決め、コート上の5人の合計点を14点以内に定めて戦力の均衡を図る。選手の持ち点は1・0点~4・5点の0・5点刻み。最も障害の重い1・0点は、腹筋や背筋の機能がなく、車いすの上で体をひねることも困難な人。4・5点は全方向に安定して動くことができる程度の障害。持ち点の高い選手を2~3人でマークしてシュートを打たせないようにするなど、各チームは様々な作戦を練っている。

ショットクロックなどの「秒ルール」

 攻撃側はボールを持ってから24秒以内にシュートを打たなければならない。攻撃時にフロントコート(相手陣)でボールをコントロールしている間はチームの選手はフリースローライン内側の制限区域内に3秒以上とどまることはできない。攻撃側はボールを取った瞬間から8秒以内にボールをバックコート(自陣)からフロントコートに運ばなくてはならない。ボールを持った選手が相手選手に1メートル以内の距離でディフェンスされている時、5秒以内にパスやドリブル、シュートをしなくてはいけない――。これらの「秒ルール」の違反は一般も車いすも同じだ。

ダブルドリブルの反則はない、トラベリングは?

 一般のバスケットボールでは、ボールを持ったままドリブルせずに3歩以上歩く、あるいはピボット(軸足と反対の足で任意の方向にステップを踏むこと)の際の軸足が動いたりずれたりするとトラベリングの反則になる。また、ドリブルを一度やめた後にまた繰り返すとダブルドリブルとなる。

 車いすバスケには、ダブルドリブルの反則はなく、ドリブルとボールの保持を繰り返し行うことができる。ただし、ボールを持って車いすをプッシュ(手で車いすを漕ぐこと)できるのは2回まで。3回連続でプッシュするとトラベリングになるので、プッシュ2回以内にドリブルをしなければいけない。

高度なテクニックにも注目

 車いすバスケットボールは健常者バスケと同じ高さのリングだが、選手はジャンプできない。車いすの状態でも高さを出そうと、トップレベルの選手は車いすを体の一部のように操り、片方の車輪を浮き上がらせる「ティルティング」でシュートやブロックをする。高度なボディーバランスが要求される難易度の高い技術だ。

 また基本プレーの一つである「スクリーン」は車いすバスケットでも重要だ。日本パラスポーツ協会によると、障害の重い選手が積極的にボールに絡み、得点を重ねることは簡単ではないが、車いすの幅を利用したスクリーンとなることで味方の攻撃をアシストすることがあり、こうした献身的なプレーにも注目してほしいという。

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