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ランドローバー「レンジローバー イヴォーク」…デザイン性と燃料費負担の軽減可能なPHV

読売新聞 / 2024年9月6日 11時40分

一部改良によりフロントグリルやライトのデザインが変更された正面

 ジャガー・ランドローバーのプラグインハイブリッド車(PHV)「レンジローバー イヴォーク P300e」に試乗した。レンジローバーの車種の中では最も小型のスポーツ用多目的車(SUV)で、イヴォーク初のPHVモデルである。

 ジャガー・ランドローバーはイギリスの自動車会社で、米フォード・モーターがジャガー、ランドローバーという二つの会社を買収。その後統合されて、現在はインドのタタ・モーターズの傘下にある。ちなみに、ランドローバーは企業名、レンジローバーが商品名である。

 日本の道路事情に対応した小型SUVは、各社が相次いで投入している。今回試乗したのは2024年モデルで、2019年に登場した2代目モデルに初のマイナーチェンジ(一部改良)を施したものになる。

クーペのような斬新なシルエットはそのまま

 「イヴォーク」が誕生したのは2011年(日本での販売は翌年)で、当時の他社SUVと異なり、クーペのような斬新なシルエットで注目を浴びた。2024年モデルは、従来の特徴であるクーペのようなシルエットやフローティングルーフ、切れ目のないウエストラインなどを継承している。

 フローティングルーフとは、車体と屋根をつなぐ柱部分を黒くするなどして、屋根が車体から切り離されたかのように見えるようにしたデザインのこと。ウエストラインはベルトラインとも言い、サイドの中心線のことで、これがリヤ(後方)に向かって上がっていくと、躍動感のあるスポーティーなスタイリングとなる。獲物を狙う時のライオンの前傾姿勢をイメージしてもらえばよいだろうか。一方、躍動感よりも落ち着いた雰囲気を重視するクルマは、ベルトラインをほぼ水平にしている。このクルマは前者になる。

一部改良でフロントグリルやライトのデザインを変更

 外観は大きく変わったわけではないが、フロントグリルやライトのデザインが変更された。例えばライトは、ロービームとハイビームが組み合わさったマトリックスLED(発光ダイオード)から、前方の状況に応じて小さなLEDを細かく制御してロービーム、ハイビームに変化させるピクセルLEDに進化した。

 また、運転席のスイッチ類がなくなり、タッチスクリーンでの操作が可能になった。機能は新型のシフトレバーと11・4インチの曲面ガラスタッチスクリーンに集約され、運転席回りはすっきりしたデザインになっている。ただ、タッチ操作で細かく調整するというのはなかなか難しい。1回の試乗では、使いこなすというレベルにはほど遠かった。慣れるまで時間がかかるかもしれない。

最高出力は309馬力(PS)とパワフル

 パワートレインはガソリン、ディーゼルエンジンもそろうが、今回はPHVだ。1・5リッターのガソリンエンジンに最高出力80kWの電動モーターを組み合わせ、合計の最高出力は309馬力(PS)とパワフルだ。変速機は電子制御式8速オートマチックである。

 実際に運転してみる。走り出しはモーターのみのため、滑らかかつ静かだ。市街地はもちろん、高速道路でも速度が一定以下であれば、エンジンは始動せず、モーター走行のみが続いた。ガソリンエンジンの動作時は四輪駆動だが、モーター走行時は後輪駆動になる。EV(電気自動車)モードでの最大航続距離は65・1キロ(公表数値)のため、日常の使用が短い距離しか走らない場合は、ほぼモーターだけですむのではないか。もちろん、バッテリー残量が少なくなると、ハイブリッド走行に移行する。

 パワートレインの制御モードは全3種類で、「ハイブリッド」のほか、「EV」「セーブ」が選べる。セーブモードは積極的にエンジンを回してバッテリーに電気をためることを優先する。住宅地ではEV走行の方が静かで近隣に迷惑をかけないため、夜間に帰宅する前にバッテリー残量が少ない時には重宝するだろう。

 ガソリン価格の高騰もあり、家庭電源による充電ができて燃料費負担の軽減につながるとして、最近はPHVが見直されている。充電にかかる時間は7kWで100%充電に約2.12時間ということだが、日本の家庭に多い3kWでは倍以上はかかる計算になる。でも、1晩あれば充電は可能だ。ただ、現実的に購入できる人は、駐車場に充電設備を設置できる戸建て所有者に限られるのが残念ではある。

2025年モデルから価格を引き下げて販売

 欧米メーカーの場合、イヤーモデルといって翌年モデルの装備を充実させるなどして、販売面のてこ入れを図ることがある。試乗したのは2024年モデルだが、現在注文できるのは2025年モデルで、試乗したグレード「オートバイオグラフィーP300e」の場合、価格は1036万円から964万円とかなり下がっている。とはいえ、誰でも買えるという価格ではない。輸入車中心にSUVの購入を考えていて、デザイン性にエコ性能も兼ね備えたPHVモデルを希望する方であれば、十分候補になるのではないか。(デジタル編集部 松崎恵三)

【仕様・主要諸元】(試乗したモデル「オートバイオグラフィーP300e」の場合)
 ▼全長・全幅・全高(ミリ) 4380・1905・1650
 ▼総排気量(L) 1.498
 ▼燃費 WLTCモード(キロ/リットル) 12.7
 ▼価格 964万円(2025年モデル、オプションは除く)

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