1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

パリ五輪は「歴代最強」だった…なでしこジャパンがさらに上を目指すため、岩清水梓が考えること

読売新聞 / 2024年8月27日 10時0分

岩清水さん(左)と槙野さん

 女子プロサッカー・WEリーグの日テレ・東京ヴェルディベレーザに所属する岩清水梓選手が、読売新聞ポッドキャスト「ピッチサイド 日本サッカーここだけの話」に登場。パリオリンピックでのサッカー日本女子代表(なでしこジャパン)の戦いについて、番組MCの元日本代表・槙野智章さんと一緒に振り返り、新生・なでしこジャパンの期待の若手について言及した。

2大会連続のベスト8

 パリ五輪でのなでしこは準々決勝でアメリカと対戦し、延長戦の末、0-1で惜敗。東京五輪に続き、2大会連続でベスト8という結果に終わった。金メダルはなでしこに勝利したアメリカが獲得した。

 1次リーグでは初戦で2023年W杯優勝国のスペインに1-2で敗れたが、2戦目のブラジル戦は後半ロスタイムに2点を奪う大逆転で2-1の勝利。3戦目はナイジェリアに3-1で勝利し、1次リーグを2位で突破した。

 今大会のチームは、なでしこ経験者の多くが「歴代最強」と評価し、メダル獲得も期待されていた。

 岩清水さんは「男女ともにメダルマッチが見たかった。正直、私たちも他競技を見るときはメダルがかかる試合。オリンピックは競技を知らない人が見るタイミング。メダルマッチまで進んで『サッカーを初めて見た』という人を増やしてほしかった」と率直に語る。

 「各国が力をつけていて簡単ではないと思ってた。でも、女子サッカーの裾野を広げたいという願望を込めて言うなら、そこ(メダル)までいってくれる、いってほしいと思っていた」

ボールを持ったなでしこを見たかった

 初戦でいきなりW杯優勝国のスペイン。そのW杯で日本はスペインと1次リーグで対戦し、4-0と圧倒していた。

 岩清水さんは指摘する。「W杯はカウンターで3点取った。バッチリだったじゃん。けど、さすがにスペインは同じ手は食わない。日本の戦い方を知っていて、負けているから警戒はされる。だからちょっと変えなきゃいけなかったんじゃないかな」

 アメリカとの準々決勝。槙野さんから「高い位置からボールを奪いにいってほしかった?」との投げかけに、「いってほしかった」とも。槙野さんは「いける可能性はあったし、いかなきゃいけなかった」と語り、岩清水さんも「チャンスが転がってたんじゃないかなっていうのが……。だから、見ててすごい惜しいっていう戦い。延長までいって惜しい結果」と強烈に残念がった。

 槙野さんは大会前、澤穂希さんら複数の元なでしこメンバーにインタビューした。彼女たちは口をそろえて「これまで見てきて、歴代最強」と高評価を口にしていたという。

 岩清水さんも「澤さんの言うとおり、歴代最強のメンバー。マンチェスター・シティー、リバプールとか海外組ばかり。海外リーグで戦えている選手たちが集まったわけで、そりゃ最強メンバー」と同意する。

 歴代最強と評されたチームが世界を相手にどういった戦いを見せるのかに注目が集まった。岩清水さんは「その子たちがボールを持ってる時間が見たかった。守備をさせられるよりもボールを持って輝く時間が見たかった」と言う。

期待の若手は誰?

 女子サッカーは各国ともに強化が進み、2023年のW杯は出場枠が24から32に拡大した。男子同様、戦術のトレンドも日々変化している。

 日本ではプロリーグ・WEリーグが2021年にスタートし、選手の海外移籍も増えている。

 岩清水さんも「めっちゃうまいじゃん、みんな」と対戦する選手のレベルの向上に驚く。特に「谷川(萌々子、FCローゼンゴード)選手はやばいよね」と注目。「体格いいし、キック力はハンパないし」。そのキック力を見せつけたのがパリ五輪のブラジル戦。後半ロスタイムに約30メートルの逆転ロングシュートでゴールネットを揺らした。

 「(シュートを選択した)あの判断はすごい。判断して(ゴールが)見えて、あの技術がある。超楽しみ」

 「なでしこジャパンの合宿から帰ってきた子の話を聞くじゃない。谷川さんはコーナーキックの精度もめっちゃいいし、フリーキックもガンガン入れているらしいよ」と新時代の後輩たちの成長に期待する。

 また、次代のチームリーダーとして、センターバックの南萌華選手(ASローマ)にも期待をよせた。

 同じDFとして槙野さんが「ディフェンスラインの真ん中がコーチングをやらないとダメ?」と問うと、岩清水さんは「絶対必要だと思う。うるさいやつほしいのよ(笑)。(南選手は)リーダーシップを持っていると思う。ローマでそれを磨いてほしい」と期待を込めた。

 強化が進む女子サッカーで、なでしこがさらに上を目指すためには?

 「みんなうまいし、世界トップレベルの選手がたくさんいる。どう戦ったら自分たちの良さが出るか、どう戦ったら勝てるのか。洗練された『個』が、『団体』になって戦っていかないと先はないので、そこを束ねるチーム内の『指揮官』だったり、『(各ポジションの)職人』の責任感みたいな、そういうところが際立ってくると面白いんじゃないかな」

プロフィル

岩清水梓(いわしみず・あずさ)

日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属。ポジションはDF。2011年ドイツW杯で優勝。12年ロンドン五輪で銀メダル。15年カナダW杯で準優勝。所属クラブではリーグ4連覇に貢献。2020年3月に第1子を出産し、現在も現役選手としてピッチに立つ。今年3月に初めての著書『ぼくのママはプロサッカー選手』(小学館クリエイティブ)を刊行。1986年生まれ。岩手県滝沢市出身。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください