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三重でガンジスカワイルカの仲間の新種化石、かつて北太平洋泳いでいた証か…命名「ミエイルカ」

読売新聞 / 2024年8月27日 15時19分

ミエイルカの化石。左が頭骨の大部分。右は耳の骨の一部(三重県総合博物館で)

 三重県内にある約1800万年前の地層から見つかったイルカの化石が、現在はインド周辺にしか生息しないガンジスカワイルカの仲間にあたる新種であることが、県総合博物館(津市)などの調査で分かった。化石は約30年前、当時の小学生が発見したもので、近年になって調査が進められていた。かつては太平洋や大西洋を泳いでいたイルカが、外敵などの影響で生息範囲を狭めていったことを示す貴重な資料という。(増実健一)

 県総合博物館の中川良平学芸員、札幌市博物館活動センターの田中嘉寛学芸員の研究成果が、英ロンドンの大英自然史博物館が発行する「ジャーナル・オブ・システマティック・パレオントロジー」に掲載された。

 化石は1991年、亀山市の小学5年生が、内陸部の津市一志町にある約1800万年前の地層で発見し、県総合博物館に寄贈した。2021年からの研究で、耳の骨の形状などから新種と判明し、「ミオデルファイヌス・ミエンシス(ミエイルカ)」と命名された。

 ミエイルカが含まれるスクアロデルフィス科は、イタリアやペルーなどで新種の報告があるが、北太平洋で発見された化石は、岐阜県瑞浪市とアメリカ西部の2件だけという。

 中川学芸員は「ガンジスカワイルカは、他のイルカとの生存競争に敗れ、ガンジス川に追いたてられたとみられる。かつては南太平洋、大西洋、北太平洋を生息圏にしていた」と分析している。

 化石は9月16日まで、県総合博物館の開館10周年企画展で展示されている。

「ミエゾウ」に続く発見

 三重を冠した新種は、イルカのほかに、約430万~300万年前に日本列島付近で生息していたとみられるゾウ「ミエゾウ」がいる。国内最大の陸生哺乳類と推定されている。

 1918年に津市芸濃町で化石が発見され、その後、亀山市などでも見つかった。県外でも化石が発見されているが、三重県内で最初に発見されたことから「ミエゾウ」と名付けられた。

 ミエゾウの仲間とみられるゾウの化石が中国で発見されており、当時は陸続きだった中国大陸から日本に渡ってきたとみられる。

 復元された全身骨格標本(体長約8メートル、高さ約4メートル)は現在、県総合博物館で展示されている。

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