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波乗り医療者、徳島県が移住・定住PR…海岸へ3分「サーフ・ホスピタル」としてブランド化

読売新聞 / 2024年8月27日 9時3分

 サーフィンをきっかけに徳島県南部へ医療従事者を呼び込もうと、県と県サーフィン連盟が連携協定を結んだ。今後、SNSなどを通じてサーフスポットが多くある県南部の魅力をPRし、医療従事者の移住や定住につなげる珍しい取り組みだ。(北野浩暉)

新たな働き方

 県によると、県内では2022年12月末時点で医師が2363人、看護師が9548人働いている。人口10万人あたりでみると医師数は335・7人で全国で最も多く、看護師は1356・3人で全国12位と、比較的充実している。

 一方で医師数を医療圏でみると、徳島市や吉野川市などを含む東部圏域に1803人(76・30%)おり、阿南市や美波町などの南部圏域が400人(16・93%)、美馬市や三好市などの西部圏域が160人(6・77%)で、地域による偏在が課題だ。また、医師の平均年齢が54・2歳で全国で最も高く、若い医師の確保も求められている。

 県南部には牟岐町の内妻海岸や海陽町の宍喰海岸、阿南市の辰巳海岸など全国有数のサーフスポットがあり、県外からの医療従事者も多く訪れているという。県は県立海部病院(牟岐町)が内妻海岸まで車で3分で行ける立地を生かし、出勤前後にサーフィンができるなど新たな働き方を発信することで、同病院を「サーフ・ホスピタル」としてブランド化する狙いがある。

 同病院の看護師の女性(45)は、以前は大阪で勤務しながら月1回程度、同海岸などでサーフィンをしていたが、結婚を機に16年に海陽町へ移住したという。女性は「休みの日はすぐに海に入っていてストレスが発散できる。豊かな場所で仕事もプライベートも楽しむことができている」と話す。

 8月3日に同海岸で、北畑洋・県病院事業管理者と県サーフィン連盟の中西敬理事長が連携協定を締結した。サーフ・ホスピタルとしての魅力をともに発信し、医療従事者を対象としたサーフィン大会を計画している。北畑氏は「ワーク・ライフ・バランスを整え、多くの医療従事者から選ばれる病院にしたい」と述べ、中西理事長は「地元の人も含めてサーフィン文化を盛り上げていきたい」と語った。

専門誌に求人

 県立病院以外でも、海陽町立海南病院と、阿南市の阿南医療センターは今年3月、サーフィン専門雑誌「Blue.」に共同で求人広告を出した。

 海南病院では、週1~2日勤務の非常勤など柔軟な勤務体系を作り、4月からはサーフィンが趣味の30歳代の医師1人が岡山県から週1回勤務しているという。同病院の担当者は「常勤の医師は1人しかいない。波乗りに来るのと合わせて少しでも勤務してもらえると助かる」と話している。

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