1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

主演作の公開相次ぐ江口のりこ、様々な役を演じるのに「毎回必死ですよ」…役を「体験」しながら見つける人物像

読売新聞 / 2024年8月27日 13時37分

桃子(江口のりこ、左)は真守(小泉孝太郎)の無関心を受け入れていたが……

 江口のりこの主演作の公開が相次いでいる。30日に公開される、吉田修一原作の「愛に乱暴」もその一本。次第に居場所を失い、暴力的な衝動に走る主婦、桃子を演じたが、「撮影しながら、桃子がどういう人なのか、見つけていった」と振り返った。(近藤孝)

 41歳の桃子は、結婚8年目になる夫の真守(小泉孝太郎)と、彼の実家の敷地内に暮らしている。映画の序盤は、平凡な主婦の穏やかな日常が描かれ、真守のそっけない態度も 倦怠 けんたい期のそれぐらいにしか見えない。

 「原作は、いろんな人が出てきて桃子と絡むんですけど、映画の脚本は笑える部分も削られて、とてもシンプルでした」。そぎ落とされた脚本を手に、「どうしよう」と悩んだという。

 撮影が始まると、ほぼ脚本に従って、順撮りで進んだ。ゴミを捨てに行ったり、母屋に住む義母の照子(風吹ジュン)とあいさつしたり、夫を会社に送り出したり。そんなシーンが続いて、「早く物語が動き出してほしい」という思いが募っていったが、撮影の中盤で、「いつまでも小説の面白さにしがみついてちゃいけない」と気持ちを切り替えた。

 「動き出した」と感じたのは、桃子が夫の愛人と初めて対面するシーン。同席する真守を前に、桃子は怒りを爆発させる。「ストレートに感情を表現できた。そうしたら、今度はラストに向かって、どうしようかっていう思いが出てきました」

 どんなラストシーンにするか。もちろん脚本は完成していたが、森ガキ侑大監督に「最後はこれでいいですか」と尋ねられ、「悩んでるんだ、撮りながら見つけていきたいのかな」と感じた。「日々お芝居をして、桃子になることを体験していく。そうやって、桃子のキャラクターができあがっていきました」

 桃子という役を淡々と演じているようにみえる。インタビューでも、抑揚のあまりない関西弁での受け答えが続いたが、様々な役を演じるのに「毎回必死ですよ」と強調する。「監督がこの人で、脚本はこれって決まれば、前回の映画はこうだったとか、次はどうだろうなんてことは関係ないです。演じ分けるなんて余裕はこれっぽちもありません」

 映画デビューは2002年。以来、個性的な名バイプレーヤーの印象が強いが、今年は主演が目立つ。「あまろっく」で出身地の兵庫県を舞台に、年下の義母を迎える実家暮らしの娘を演じ、「お母さんが一緒」では、内田慈、古川琴音という演技巧者を相手に、3人姉妹の長女を熱演した。

 「主演は、芝居の量が多いから、たくさんの体験ができる。だから、どこかですーっと演技を飛躍させやすいんです」。ただし、脇役を演じる面白さも熟知していて、「主役でも脇役でも、面白い役ができればいいなと思っています」。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください