カナダ政府、中国製ＥＶに１００％の追加関税…米国やＥＵと足並みそろえ過剰生産問題に対応

カナダ国旗

　【ワシントン＝田中宏幸】カナダ政府は２６日、中国製の電気自動車（ＥＶ）に１００％の追加関税を課すと発表した。米国や欧州連合（ＥＵ）と足並みをそろえて中国の過剰生産問題に対応し、自国への安価な製品の流入を防ぐ。中国製の鉄鋼・アルミニウムにも２５％の関税を課す方針だ。

　トルドー首相は同日の記者会見で「中国は我々の重要な基幹産業の安全保障を損ない、自動車・鉄鋼労働者の雇用を奪っている」と批判。「中国の不公正な慣行からカナダの産業と労働者を守るため、米欧など同盟国と協力していく」と強調した。

　発表によると、１０月１日から中国製のＥＶやハイブリッド車（ＨＶ）に１００％の追加関税を課す。中国製の鉄鋼・アルミニウムには１０月１５日から２５％の追加関税をかける。

　中国製ＥＶは中国政府による過剰な補助金を背景に、価格競争力や生産能力で優位に立ち、世界市場で急速に存在感を高めている。中国製ＥＶを巡っては、バイデン米政権が税率を現行の２５％から１００％に引き上げる方針を発表。ＥＵも最大３６・３％の関税を課す最終案を示している。