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6mの壁越えイスラエル側へ、「出稼ぎ」4万人…パレスチナ人男性「危険だが妻子を養うには仕方がない」

読売新聞 / 2024年8月27日 22時0分

ヨルダン川西岸から壁を越え、イスラエル側に入る労働者(13日)

 「さあ行くぞ」。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸とイスラエルが占領する東エルサレムを隔てる高さ6メートルの分離壁。西岸側の壁近くに座っていたパレスチナ人男性(29)は13日昼前、壁越えを手引きする「業者」に促され、コンクリート壁にかけられた木製のはしごを上り始めた。

 壁の上にたどり着くと、男性は業者が破った鉄条網をくぐり、壁の向こう側を見渡す。業者からロープを受け取り、イスラエル側にスルスルと下りて姿を消した。建設現場で1か月ほど寝泊まりし、再び壁を越えて帰ってくる予定だ。

 西岸とイスラエル側は高い壁で隔てられている。東エルサレムとの間を合法的に行き来するには、3か所ある検問所を通る必要がある。しかし、パレスチナ自治区ガザで昨年10月に戦闘が始まって以降、イスラエルは治安維持を理由に許可証を持ったパレスチナ人の通行も原則として認めていない。

 先進国のイスラエルと西岸の経済格差は大きく、イスラエル有力紙イディオト・アハロノトによると昨年10月以降、約4万人のパレスチナ人労働者が非合法的にイスラエル側へ入った。男性は「壁を越えるのは危険だが、妻子4人を養うには仕方がない」と声を落とした。(ヨルダン川西岸 福島利之、写真も)

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