富士登山の夜間規制など、静岡県でも条例化へ…登山者数上限は設けず「実情に合った規制を検討する」

富士山５合目ゲート前にある受付付近（１０日）

　富士登山のオーバーツーリズム（観光公害）対策を巡り、静岡県は入山料徴収と夜間の入山規制を実施する条例制定に向け、９月１０日のシーズン終了後に現地調査を行い、来夏の実施を目指す。

　山梨県側の吉田ルートでは今夏から通行料２０００円の徴収や午後４時以降の入山規制などを開始。静岡側には富士宮、須走、御殿場の３ルートがあり、登山日時やルート、山小屋宿泊予約について「事前登録システム」の運用を始めたが強制力はなかった。ルールの違いについて登山者らから「分かりにくい」などと指摘があったという。

　県は９月中にも現地調査を始め、ゲートの設置場所などを検討。登山者数の上限は設けない方針だ。「安全確保のため、静岡側の登山道の実情に合った規制を検討したい」として、今年度中の条例制定を目指している。昨夏の登山者は約２２万人で、山梨県側が６割、静岡県側が４割だった。