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兵庫県知事が「20m手前から歩かされた」と怒った区間、車両進入禁止だった…迎えの公用車は無許可で玄関に横付け

読売新聞 / 2024年8月28日 5時0分

斎藤知事が公用車を降りて歩いたとされる標識(手前)から玄関までの区間(兵庫県播磨町の県立考古博物館で)

 兵庫県の斎藤元彦知事に関するパワハラ疑惑のうち、知事が出張先で公用車から降りて歩かされ、職員をどなったとされる件で、降車地点から先の区間は元々、車両の進入が禁止されていたことがわかった。知事は「業務上必要な指導」としているが、妥当ではなかった可能性がある。帰りには、無許可で迎えの公用車が進入禁止区間に入っていたという。(神戸総局 川本一喬、喜多河孝康)

 県議会の百条委員会が23日に行った非公開の証人尋問で、現場にいた職員が出頭して当時の状況を証言した。

 前県西播磨県民局長の男性職員(7月に死亡)が3月中旬に報道機関などへ送付した告発文書では、「出張先の施設で玄関の20メートル手前で公用車を降りて歩かされ、職員をどなり散らした」との内容があった。

 百条委の出席者らへの取材によると、この施設は同県播磨町の県立考古博物館。斎藤知事は昨年11月28日午後1時から、博物館で開かれた会合に出席した。知事の乗った公用車はぎりぎりの時刻に到着し、知事は車両の進入禁止区間の手前で降ろされた。この地点には進入禁止の標識が設置してあった。

 斎藤知事は標識が手で動かせるのを確認。歩かなければならないことについて、出迎えた県職員2人に「もっと気を使うべきではないか」などと強い口調で指摘したという。

 斎藤知事は6月20日の記者会見で、「円滑な動線の確保を図るべきではなかったのではないかという趣旨だった。あくまで業務上必要な指導。ハラスメントという認識はない」と述べた。

 しかし、博物館によると、この区間は運用ルールとして緊急車両以外の進入を禁止し、来場者が安全に出入りできるようにしている。博物館ではこれまで様々な会議が開かれているが、標識を移動して車を玄関に横付けさせたケースはなかったという。

 県関係者によると、県秘書課は、車両の進入禁止区間だと事前に把握しており、玄関まで公用車を横付けしたいと博物館側に相談していたが、博物館側から許可されなかったという。会合を準備した県東播磨県民局は、「(公用車を降りて歩いた)知事の動線は、予定通りだった」とする。

 証人尋問に出頭した職員は、「(知事の発言は)どなるほどではないが、きつい口調だった。玄関に県職員2人が待っていたので、おそらくそこまで行けると思ったのではないか」と証言したという。

 一方、会合後に知事を迎えに来た公用車は、博物館に無許可で進入禁止区間を通って玄関に横付けし、知事を乗せて帰っていた。知事は指示しておらず、現場にいた職員らが独断で標識をどけていたという。

 博物館側は「(無許可での進入は)安全上問題がある」と指摘する。

 証人尋問に出頭した職員は「知事が怒っていたので、また同じ所から乗せるのは避けた方がいいという心理が働いた」と説明。「結果としてルールを曲げたことになる。 忖度 そんたくではないが、職員が先回りしてやりすぎている雰囲気はある」と話したという。

 秘書課は読売新聞の取材に「詳細は答えられない」としている。

 斎藤知事は30日の百条委で、この件も含めたパワハラ疑惑について証言する。27日の記者会見では、「職員に不快な思いや負担をかけたことは残念だ。知事の行動や発言が思っている以上に職員に伝わると、きちっと認識しておくべきだった」と陳謝した。

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