イスラエル軍、ハマスの人質だったアラブ人を初めて救出…ネタニヤフ首相「例外なく全ての人を帰還させる」

イスラエル軍に救出されたカイド・アルカディさん＝イスラエル政府提供

　【エルサレム＝福島利之】イスラエル軍は２７日、パレスチナ自治区ガザで作戦を実施し、イスラム主義組織ハマスに拉致され、人質となっていたアラブ人の男性カイド・アルカディさん（５２）を救出したと発表した。軍にこれまでに救出された人質８人のうち、アラブ人は初めて。

　軍によると、アルカディさんは、ガザ南部の地下トンネルに１人でいたところ、救出されたという。軍は作戦の詳細を明かさなかった。健康状態は良好という。

　アルカディさんは、イスラエル南部ネゲブ砂漠にあるアラブ人のベドウィン集落の出身で、ガザ近くのキブツ（農業共同体）で昨年１０月、警備員として働いていた際に拉致された。首相府によると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は２７日、アルカディさんに電話し、「我々は例外なく全ての人を帰還させることを約束している」と述べた。

　イスラエル軍によると、残る人質は１０８人で、そのうち３４人の死亡が確認されている。イスラエルとハマスは、米国やカタールなどの仲介で停戦と人質解放の交渉を続けているが、停滞している。