国連事務総長「海面上昇で太平洋諸国が重大な危険」…過去３０年で１５ｃｍ以上上昇の地域も

アントニオ・グテレス事務総長＝ロイター

　【ヌクアロファ＝作田総輝】国連のアントニオ・グテレス事務総長は２７日、トンガの首都ヌクアロファで記者会見し、「世界の海面上昇の平均スピードは１９９０年代以降で２倍以上になり、太平洋諸国が特に重大な危険にさらされている」と強い危機感を表明した。

　太平洋諸島フォーラム（ＰＩＦ）首脳会議に出席しているグテレス氏は「世界的なＳＯＳ（Ｓａｖｅ　Ｏｕｒ　Ｓｅａｓ）を発信するためにトンガに来ている。海面上昇により高潮や洪水の頻度と深刻度が増大している」と述べた。

　国連や世界気象機関（ＷＭＯ）がまとめた報告書によると、太平洋 島嶼 （とうしょ）国の中には過去３０年で１５センチ以上の海面上昇を記録した地域もあり、世界平均の約１０センチを大きく上回るという。

　太平洋島嶼国やオーストラリアなど１８の国と地域でつくるＰＩＦの首脳会議は２６日からトンガで開かれている。気候変動は安全保障とともに主要な議題となっている。