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台風10号九州南部で猛威、宮崎で7mの看板落下し車に直撃…飛んできた瓦や転倒でけが人も

読売新聞 / 2024年8月28日 21時51分

強風で落下したとみられる看板が直撃した軽乗用車(28日午後2時、宮崎市大塚町で)=金堀雄樹撮影

 「過去最強」に近いとされる台風10号の接近で、28日は九州を中心に大荒れの天気となり、突風などによる被害も相次いだ。「鈍足」も特徴の台風は数日かけて列島を縦断し、各地に警報級の風雨をもたらすと見込まれており、能登半島地震の被災地や過去に豪雨被害のあった地域などでは警戒が強まっている。

 気象庁によると、台風は速度が遅いため、東海や近畿などでは少なくとも31日まで大雨や暴風が警報級に達する恐れがある。

 九州南部ではすでに猛威を振るっている。28日午後1時50分頃には、宮崎市佐土原町で突風が発生。飛んできた瓦やガラスが当たるなどして4人がけがをした。住宅工事中だった電気工事士の男性(73)は「ゴー」という大きな音とともに、高さ数十メートルはありそうな竜巻のような渦を目撃したという。軽乗用車が横転し、工事現場内にも物が飛んできて車のフロントガラスが割れるなどし、男性は「こんなに怖い経験をしたことはない」と話した。

 暴風や波浪などの特別警報が発令された鹿児島県では28日夕までに計6人のけがが確認された。指宿市では60歳代男性が屋根から転落。奄美市でも60歳代の男性がバイクを運転中に風にあおられて転倒し、右脚を骨折した。

 避難者も相次いだ。今月8日に発生した日向灘を震源とする地震で震度4を観測した鹿児島県志布志市の男性(83)は「地震で家が弱っていると思い、早めに避難した」と語った。宮崎市の避難所に隣人と避難した女性(72)は「避難している間、家の状況が心配だが、身の安全が最優先。台風が来ると恐ろしい気持ちになる」と不安げだった。

 台風の接近に、各地で警戒が強まる。

 2011年9月の台風12号が引き起こした「紀伊水害」で、88人の死者・行方不明者(災害関連死を含む)が出た和歌山、奈良、三重の3県でも備えが進む。

 奈良県十津川村では、谷近くの集落の住民から「雨が降ると水が流れてくるので不安」との声が村に寄せられ、消防団が土のうを積むなどした。和歌山県新宮市は台風の進路次第では早期に避難所を設ける考えだ。

 台風で一昨年と昨年に河川の堤防が決壊し、浸水被害が出た静岡県磐田市の豊岡地区。2年続けて被災した柿農家の男性(63)は自宅前に土のう約20個を積んだ。「川から水があふれないことを祈るしかない」と話した。

 能登半島地震の被災地でも緊張が高まっている。石川県能登町の小木港では、県漁協小木支所が中型イカ釣り船7隻の避難準備を進める。荒天時の避難先としていたすぐ隣の九十九湾は、地震で岸壁が損壊したため、約2キロ離れた高倉漁港へ避難する予定。同支所の坂東博一参事(54)は「船員の安全を第一に体制を整えたい」と話した。

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