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猛暑続き熱中症保険が人気、旅行・スポーツ・屋外イベント…「梅雨明け前から申し込みが急増」

読売新聞 / 2024年8月28日 22時26分

 熱中症リスクに備える保険への加入が増えている。猛暑が続く中、旅行やスポーツ、屋外イベントなどで需要が高まっていることが背景にある。保険各社は補償プランの新設や拡充に力を入れている。(橋爪新拓)

レクリエーション保険で補償

 東京都港区の保険代理店「マーブル」では、熱中症も補償するレクリエーション保険「みんレク」の売れ行きが好調だ。あいおいニッセイ同和損害保険が提供する商品で、数十人以上が集まる行事を対象とした団体傷害保険に、熱中症を補償する特約が付いている。年初から7月末までの加入件数は前年同期から2倍近くに増えた。

 マーブルの販売担当者は「梅雨明け前の6月から、今夏の猛暑を見込んだ申し込みが急増した。熱中症の危険性が浸透するにつれ、保険の認知度も上がってきている」と話す。

 総務省消防庁によると、7月に熱中症で救急搬送された人は前年同月より約6600人多い約4万3000人だった。2008年の調査開始以来2番目に高い水準で、死者も約60人に上っている。

1日単位で加入も

 熱中症リスクに備える保険には、1日単位で加入できる「少額短期保険」と、熱中症特約付きの傷害保険の2種類がある。死亡や入院時のほか、軽症で点滴治療を受けた場合などに補償が受けられる。

 費用は少額短期保険で1日あたり100円前後から、特約で月数十円程度が多い。販売は20年頃から本格化し、コロナ禍の収束に伴う人流回復とともに伸びてきた。

 22年に業界初となる熱中症の少額短期保険を発売した住友生命保険では、昨年1年間で5・6万件だった加入件数が今年は7月25日時点で10万件を突破。「学生は部活動、大人はゴルフやバーベキューに備える例が多い」(広報)という。

 三井住友海上火災保険では7月、新規の傷害保険加入者のうち熱中症特約も付ける人の割合が約4割に上った。20歳未満と70歳以上の加入が目立つという。

 新たな保険商品の開発や補償内容の拡充も相次ぐ。東京海上日動火災保険の子会社は6月、NTTドコモと協業し、スマホ決済アプリ「d払い」から申し込める少額短期保険を発売。損害保険ジャパンは来年以降、原則すべての傷害保険に最初から熱中症特約を組み込む方針だ。

 各社にとって熱中症関連保険の利幅は小さいが、安定的な需要を見込んで積極姿勢に転じた。今後もサービス面を含め競争激化が見込まれる。

 消費者にとっては、加入済みの医療保険の補償対象に熱中症が含まれているケースもあるため、契約内容を十分に確認する必要がありそうだ。

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