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ネットカジノ 違法な賭博を野放しにするな

読売新聞 / 2024年8月29日 5時0分

 海外のインターネットカジノに接続し、賭博にのめり込む人が急速に増えている。日本では犯罪にあたることを周知するとともに、利用の規制を急がなければならない。

 警察庁が、ネットカジノを運営する会社や利用客の実態、賭け金の決済方法などの調査に初めて乗り出す。サイトへの接続規制や依存症対策につなげるためだ。

 国内では、競馬や競輪などの公営ギャンブル以外、賭博は禁止されている。海外で合法的に運営されているサイトであっても、日本から接続して賭けをすれば、刑法の賭博罪にあたる。

 しかし、「海外で合法なのだから、日本で利用しても問題ない」という誤解が広まっていることもあり、利用者が急増している。

 民間のデジタル分析会社によると、ネットカジノへの日本からの接続数は、2018年に月70万回だったが、21年には月8300万回に激増しているという。

 ネットカジノには、スロットマシンやルーレットのほか、スポーツの試合結果を予想する賭博もある。日本語で表示されているサイトも目立つ。コロナ禍の外出自粛中に、ゲーム感覚で始めた人も多いのではないか。

 利用者が警察に摘発されるケースも増えている。安易に利用すれば、重大な結果につながることを認識すべきだ。

 ネットカジノは、スマートフォンやパソコンがあれば24時間、どこでも利用できるため、依存症に陥る危険が高いとされる。負け分を取り戻そうとして、さらに深みにはまるケースも珍しくない。

 ギャンブル依存の怖さは、米大リーグ・大谷翔平選手の元通訳による巨額の違法賭博問題の例を挙げるまでもないだろう。山口県阿武町では、町が誤って振り込んだ給付金がネットカジノで使い込まれるという事件も起きた。

 ネットカジノで多額の借金を抱え、その返済のために「闇バイト」に応募して、特殊詐欺などの犯罪に加担する若者らもいる。ネットカジノに自由に接続できる現状は深刻で放置できない。

 欧州などでは、違法なネットカジノに接続できないようにする「ブロッキング」を実施している国もある。日本でも、こうした仕組みの導入を検討すべきだ。

 海外のサイト運営会社と日本の利用者の間で、賭け金の決済を代行する業者を取り締まることも効果的だろう。関係省庁で連携し、違法賭博の送金を許さないような対策を講じてほしい。

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