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高速道路の料金変動制「ロードプライシング」本格導入へ…混雑時間帯を値上げ、深夜は半額も

読売新聞 / 2024年8月29日 0時12分

「ロードプライシング」が試験導入されている東京湾アクアライン(本社ヘリから)

 国土交通省は28日、高速道路の料金を時間帯などによって変える「ロードプライシング」の導入に向けて有識者会議を開き、具体的な制度設計の検討を始めた。渋滞緩和のため、2025年度以降に全国で本格導入することを目指しており、対象となる道路や料金体系について議論を進める。

 高速道路の料金は走行する距離に応じて決められている。だが都市部や観光地では休日を中心に渋滞が頻発しているため、日中の混雑する時間帯の料金を引き上げ、深夜などのすいている時間帯の料金を引き下げることで通行車両を分散させる狙いがある。料金は安くする場合、最大で現在の半額とする方向だ。

 ロードプライシングは21年の東京五輪・パラリンピック期間中に首都高速道路で実施され、日中の通行料が1000円上乗せされた。

 現在は千葉県と神奈川県を結ぶ東京湾アクアラインの上り線で社会実験が行われている。自動料金収受システム(ETC)搭載の普通車は800円だが、混雑する土日と祝日の午後1~8時は1200円に上げ、午後8時~午前0時は600円に抑えている。国交省によると、10キロを超える渋滞発生日が実験前と比べ26%減少した。

 会議では、アクアラインでの効果を検証して検討を進める。混雑緩和を主な目的としているため、混雑していない高速道路でも実施するかどうか有識者の議論も踏まえて決定する。

 国交省は海外での事例も参考にする考えだ。米ロサンゼルスでは、一部区間で走行速度が時速75キロを下回るような混雑が発生しないよう、車の台数が多くなると高くするなど5分ごとに料金を設定している。シンガポールやフランスでも時間帯などに応じて料金を変えている。

 ただアクアラインでは徐々に土日の混雑が戻りつつあり、「利用者が引き上げ後の料金に慣れ、効果が薄れてきている」(関係者)との指摘もある。この日の会議では、出席した委員から「混雑を緩和するためには、休日を分散させるなど経済界を巻き込んだ議論も必要だ」との声も出された。

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