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今夜からボッチャ「チーム」開始、銅メダリスト遠藤裕美の加入で戦術に厚み…悲願の「金」へ

読売新聞 / 2024年9月3日 17時33分

強化合宿で練習試合を行った後、意見を交わす広瀬(左端)ら日本チームと川崎ボッチャーレのメンバーら(6月22日、福島県白河市で)=池田亮撮影

 パリパラリンピックのボッチャ競技は3日から、チーム戦(脳性まひ)1次リーグが始まる。東京パラリンピックで銅メダルを獲得したこの種目に、日本代表は杉村英孝(42)(TOKIOインカラミ)、広瀬隆喜(40)(西尾レントオール)に加え、遠藤裕美(38)(福島県ボッチャ協会)の3人で挑む。チームの強みと勝負のポイントについて、6月の日本代表強化合宿に参加した強豪・川崎ボッチャーレの上野進代表(56)に分析してもらった。(デジタル編集部 池田亮)

「上投げ」で思い切りのいい遠藤

 東京大会で個人金メダルの杉村、5大会連続出場の広瀬の両ベテランに対し、遠藤はパラリンピック初出場だ。

 女子個人(脳性まひBC1)にも出場し、銅メダルの遠藤の強みは、コートの奥「ロングエリア」で勝負できることだ。スローイングボックスから10メートル先にあるエンドライン付近に、ジャックボール(目標球)を配置する戦い方で、アプローチの正確性と遠方に投げる筋力が求められる。3人のなかで唯一「上投げ」の遠藤は、素振りなしで投げるなど思い切りが良い。

 力強いショットに定評のある広瀬もロングエリアを得意とする。今年1月の日本選手権の個人戦で、広瀬は杉村に対してロングエリアでの勝負を果敢に仕掛け、勝利している。

 杉村はジャックボールに対する正確無比なアプローチが最大の武器だ。だが、障害の影響で握力が弱く、遠くに投げるために使われる固い球を握るのが苦手。このため、小さな力でも投球の距離を伸ばせるよう、床との摩擦が少ない素材の球を新たに選択肢に追加した。杉村はロングエリアでの攻防をポイントに挙げ、「フォームを安定させ、パリに向けてしっかり照準を合わせたい」と語った。

 上野代表は「パワーで押してくる海外勢に対して、どのエリアに投げられても日本代表の3人なら対応できるし、死角がない」と見ている。

ジャックボールを動かす展開が勝負のカギに

 ジャックボールに持ち球を寄せていくのがボッチャの基本。相手が球を近づけられないように、持ち球で「防御」するのも作戦の一つだ。だが近年、ジャックボールをはじいて、目標の位置を変えていく戦い方も増えている。

 杉村も「展開がどんどん変わるボッチャにどう対応するのかが、日本チームにとって大事」と話す。

 単にジャックボールを動かすだけではなく、どのようなタイミングで展開を変えるのか、投げた球を得点に絡める範囲にとどめることができるか、先を読む力も重要になってくる。

 経験豊富な杉村、広瀬に、東京大会後に本格的に日本チームに加わった遠藤。強化合宿で、川崎ボッチャーレと行った練習試合では、両ベテランが遠藤に対して、時折、冗談を交えながら緊張をほぐしていた。

 上野代表は「遠藤選手が加入して雰囲気も明るいし、コミュニケーションもとれているので最高のメンバーがそろったのではないか。東京パラリンピックが終わってから3年間の練習の成果を、思う存分発揮して、金メダルを持ち帰ってきてほしい」と期待している。日本の初戦は日本時間4日午前0時からでチュニジアと対戦する。

 ◆川崎ボッチャーレ=2019年に結成され、川崎市でボッチャの普及と競技力向上を目的に活動する。川崎市職員を中心とした17人で構成。障害の有無に関係なく行われる、国内最高峰のインクルーシブ大会「ボッチャ東京カップ」で21、24年の2度優勝している。

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