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輸入貨物受け取りまで最大5時間…トラック運転手の待機解消へスマホ予約システム、成田空港で導入へ

読売新聞 / 2024年9月5日 16時1分

 千葉県の成田国際空港会社(NAA)は8月28日、輸入貨物がトラックに積み込まれるまでに運転手の長時間待機が発生している問題を改善するため、スマートフォンで荷物の受け渡し時間を予約できるシステムを11月から導入すると発表した。運転手の残業規制強化で輸送力の低下が懸念される「2024年問題」の対策の一つとして期待される。(渡辺亮平)

 予約システムは「トラックドックマネジメントシステム」と呼ばれ、成田空港の貨物のうち約7割を扱う北部貨物地区に導入される。時期は未定だが、南部貨物地区でも導入予定だ。

 トラックの運転手は現在、成田空港に到着するまで輸入貨物を何時に受け取れるか知らされていない。待機時間は早くて1時間、最大5時間ほどに及ぶ。

 予約システムの導入により、運転手は1時間ごとに定められた引き取り時間を予約する。航空機から降ろされた貨物を一時保管する 上屋 うわや業者も、予約に合わせて貨物を準備するため、スムーズな引き渡しができる。

 今年4月には、トラック運転手の時間外における労働時間の上限が、年960時間に規制された。これを見据え、トラック運送の事業者からは「成田空港は待機時間が長く、今後は仕事を受けられないかもしれない」という声が上がり、県トラック協会は今年2月、NAAに予約システムの導入を要望していた。

 成田空港では28日、予約システムに関する説明会が開催された。ウェブと対面で計約230人の運送業者や通関業者、荷主の代理店となるフォワーダーらが参加。システムの仕組みや、貨物の積み込み方の変更点などの説明を受けた。

 県トラック協会の池田和彦会長は「待機時間の解消は簡単ではないが、(予約システムの導入は)開港以来続いてきた長時間待機の改善に向けた大きな一歩だ」と話した。

梱包材投棄防止へ業者限定

 成田空港の貨物地区では何十年もの間、一部の運送業者による 梱包 こんぽう資材などの不法投棄が繰り返されてきた。成田国際空港会社(NAA)は今回の予約システムの導入に合わせ、トラックに輸入貨物を積み込む作業を 上屋 うわや業者に限定する。運送業者の関与をなくすことで、不法投棄の防止につながると期待している。

 不法投棄は警備の少ない夜間帯に起き、月に数回のペースで続いている。貨物を載せるパレットが投棄された場合、パレットのくぎがフォークリフトのタイヤに刺さり、パンクすることもある。

 トラックへの積み込みは現在、上屋業者が担うこともあれば、運送業者が担うこともある。このため、運送業者は貨物地区内にフォークリフトを保有している。

 一部の運送業者は、積み込みが禁止された場所にフォークリフトで貨物を移動させ、仕分け作業をしている。仕分けで発生したパレットなどを不法投棄することがあるという。

 予約システムの導入後は、フォークリフトを使った積み込みは、上屋業者が全面的に担当する。運送業者は原則として、フォークリフトを使えなくなる。

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