イギリスとドイツ、防衛・経済協力が柱の２国間協定締結で合意…首脳会談

２８日、ベルリンでの共同記者会見で握手するショルツ独首相（右）とスターマー英首相＝ロイター

　【ベルリン＝中西賢司】英国のスターマー首相は２８日、ドイツの首都ベルリンでショルツ首相と会談し、防衛や経済などの協力を柱とする２国間協定を締結することで合意した。来年初めの署名を目指す。英国が離脱した欧州連合（ＥＵ）との関係再構築を外交の柱に掲げるスターマー氏は、ＥＵ大国のドイツに続いてフランスを訪問し関係強化を確認する見通しだ。

　英独両国が発表した共同宣言では、ロシアのウクライナ侵略などを念頭に、英独関係を「次の段階に引き上げる時が来た」と指摘した。ドイツが戦略的に重視する国と開く首脳・閣僚級の「政府間協議」も初開催する。

　協定はエネルギー安全保障や技術革新、不法移民対策などを含む包括的な内容になる見通しだ。スターマー氏は共同記者会見で、協定は雇用創出につながるとし、「英国とドイツの労働者に成果をもたらす一世一代のチャンス」と強調した。ショルツ氏は「ＥＵとの関係で新たなスタートを切るとの発表をうれしく思う」と応じた。