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パリで初のパラリンピック開会式「不和」から「調和」へ、難民選手団やウクライナに声援

読売新聞 / 2024年8月29日 12時31分

開会式で旗手を務めた西田杏選手(右)と石山大輝選手(28日、パリで)=須藤菜々子撮影

 【パリ=読売取材団】28日のパリ・パラリンピック開会式は五輪と同様、夏季大会では史上初めて競技場外で行われ、華麗なパフォーマンスが披露されるなか、選手たちは堂々と入場した。

スポーツや創造性を通じた融和

 選手らが船に乗ってセーヌ川を「行進」したパリ五輪と同様に、パラリンピックの開会式もスタジアム外で行われた。パリ中心部、コンコルド広場に立つオベリスクの足元に設置されたステージで、式典は始まった。

 18世紀に当時の国王ルイ16世夫妻が処刑されたフランス革命の舞台で、開会式は「パラドックス(逆説) ディスコード(不和)からコンコルド(調和)へ」と題された。包摂をうたいながら、いまだ障害者らへの偏見に満ちている社会で、スポーツや創造性を通じた融和を描いたという。

 オープニングのダンス・パフォーマンスの後、パラリンピックのシンボルマーク「スリー・アギトス」の掲げられた 凱旋 がいせん門へとつながるシャンゼリゼ通りから、フランス語のアルファベット順に各国・地域の選手らが入場した。

 日本も陸上男子の石山大輝(順大院)と競泳女子の西田杏(シロ)を旗手に選手らが笑顔で行進。最後は「オー・シャンゼリゼ」などが流れるなか、開催国フランスの選手らが登場し、167か国・地域と難民選手団の入場を締めくくった。

 国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドルー・パーソンズ会長らのスピーチに続き、エマニュエル・マクロン大統領が開会を宣言した。

 広場に聖火ランナーが登場すると、トーチを掲げた多くのダンサーが迎え、フランスの作曲家ラベルの「ボレロ」に合わせてダンスを披露。パラリンピックの聖火を中心とした「調和」を表現した。

 フランスのパラリンピアン5人によって点火されると、五輪と同様に聖火台が再び宙に浮かび上がった。

129番目に難民選手団、アフガニスタンやカメルーンから

 難民選手団は129番目に登場し、観客から大きな手拍子と歓声で出迎えられた。旗手を務めたのは、カメルーン出身で陸上男子のギヨームジュニオル・アタンガナ。選手らは両手を大きく広げたり、手を振ったりして声援に応えていた。アフガニスタン出身でテコンドー女子のザキア・クダダディは25日の記者会見で「メダルを獲得できれば、世界中の難民に対して、夢を追いかけ、目標を達成できることを証明できる」と意気込みを語っていた。

ウクライナ選手「生き延びたことが幸運」

 ロシアによる侵略を受けるウクライナの選手団は行進の終盤に登場。青色の帽子と黄色などを基調にしたウェアに身を包んだ選手らがコンコルド広場に現れると、観衆からは大きな歓声が起きた。砲撃などで練習場所を失った選手もおり、競泳男子の視覚障害クラスで泳ぐダニロ・チュファロフは開会式前日の記者会見で「ここに来られたことは運が良かったということに尽きる。生き延びたことが幸運だ」と語った。ウクライナからは140人の選手が大会に参加する。

地元フランスが最後に登場、マクロン大統領が激励

 行進の最後に登場したのは、地元フランス。襟が明るい青や赤に彩られた紺色のジャケット姿で進み、場内の大声援を集めた。特に注目を浴びたのは、1983年にテニスの全仏オープン男子シングルスを制したヤニック・ノア氏(64)。今大会では車いすテニスの仏男子チームを率いるといい、式典後、テレビ局の取材に、「自分たちが愛し、自分たちを支えてくれる人たちのためにプレーする。メダルが取れれば望外の喜びだ」と応えた。選手らは、マクロン仏大統領から激励を受けていた。

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