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堀井氏略式起訴 不正許さぬ体制づくりを急げ

読売新聞 / 2024年8月30日 5時0分

 「政治とカネ」の問題が再び刑事事件に発展した。国民の不信を 払拭 ふっしょくするためには、カネがかかる政治の慣行を改め、資金の透明性を高めることが急務である。

 東京地検特捜部が、堀井学・前衆院議員を公職選挙法違反(寄付の禁止)と政治資金規正法違反(虚偽記入)で略式起訴し、東京簡裁が罰金100万円と公民権停止3年の略式命令を出した。

 堀井氏は2021~23年、北海道の自身の選挙区内で行われた有権者52人の葬儀などに秘書らを派遣し、香典や花代計61万円を提供したほか、自民党安倍派から受け取った1700万円を収支報告書に記載しなかったとされる。

 公選法は、秘書らが有権者に香典を渡すことを禁じている。そのため、堀井氏の秘書は提供の中止を進言したが、堀井氏は「長年の慣例なのでやめられない」と取り合わなかったという。

 政治家と有権者の健全な関係を保つことを目指した公選法の趣旨を ないがしろにする行為である。

 21年には、菅原一秀・元経済産業相が香典などを配った罪で罰金刑を受け、公民権が停止された。堀井氏はこの事件を知らなかったわけではあるまい。違法性を認識しながら香典の提供を続けたことは悪質性が高いと言えよう。

 堀井氏はスピードスケートの五輪メダリストだ。起訴を前に自民党を離党し、議員辞職したが、不記載の経緯や「裏金」の詳細な使途は明らかにしていない。その姿勢は不誠実と言う他ない。

 自民党は2月、政治資金パーティー収入の還流を受けた議員ら91人から事情聴取した。その結果、還流分の違法な使用はなかったとする報告書を公表している。

 しかし、堀井氏の秘書が配った香典は、「裏金」から捻出された可能性が高いとされている。自民党の報告書の信頼性にも疑念を抱かざるを得ない状況だ。

 自民党では、広瀬めぐみ・前参院議員が公設秘書の給与をだまし取った疑いも浮上している。勤務実態のない人を公設第2秘書に登録し、国から数百万円の秘書給与をだまし取ったとされ、議員辞職に追い込まれた。

 派閥の「裏金」事件を受け、政治資金パーティー券の購入者を公開する基準を引き下げるなどの法改正が行われた。

 ただ、政治資金の監査を担う第三者機関の設置などの検討は今後に持ち越された。外部のチェックを導入し、不正を許さない体制を整えねばならない。

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