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パラリンピック 限界に挑む選手へ声援送ろう

読売新聞 / 2024年8月30日 5時0分

 障害のある選手らが自身の可能性に挑み、栄冠を目指す。その姿をしっかりと目に焼き付け、障害者スポーツへの理解を深める機会としたい。

 パリ・パラリンピックが開幕した。約170の国と地域から、約4400人の選手が22の競技に出場し、9月8日まで力と技を競う。日本からは、170人を超える選手が参加する。

 これまで大会出場に向けて努力を重ねてきた選手たちに、エールを送ってもらいたい。

 開会式は、パリの中心街で行われ、選手たちは晴れやかな表情でシャンゼリゼ通りを行進した。五輪に続いて、競技場外の開放的な雰囲気が印象的だった。

 日本の選手では若手の活躍が楽しみだ。車いすテニスの小田凱人選手は18歳ながら、すでに四大大会のうち全仏オープンなど三つを制している金メダル候補だ。

 パラリンピックで通算4個の金メダルを獲得、昨年引退した国枝慎吾さんに憧れて、競技を始めた。国枝さんを思い起こさせるような熱いプレーを期待したい。

 競泳の川渕大耀選手は日本選手団最年少の15歳で、昨年のアジアパラ大会で金メダルを獲得している成長株だ。初出場のパラリンピックでも、思い切りのいい泳ぎを見せてほしい。

 国は2017年、五輪やパラリンピックの有望選手を発掘する「ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト」をスタートさせた。今回は、その出身者8人が出場する。プロジェクトは一定の成果を上げたといえるだろう。

 一方、読売新聞が障害者スポーツの25競技団体に尋ねたところ、20団体が「活動資金が不足している」と回答した。

 東京大会以降、スポンサーの支援打ち切りなどで収入が大幅に減り、合宿の日程を短縮するなど対応に苦慮している団体もある。

 障害の有無にかかわらず、誰もがスポーツを楽しめる社会が望ましい。官民を挙げて、継続的にサポートしていくことが重要だ。

 国際紛争が大会に暗い影を落としている。ウクライナに対するロシアの攻撃は激しさを増し、中東でも戦火が絶えない。

 大会には、戦闘で負傷して左脚を失ったウクライナの選手がシッティングバレーボールに出場する。この選手は「自分の姿を通じ、ウクライナで起きている現実を見てほしい」と語っている。

 パラリンピックは、負傷兵のための競技会が起源だという。根底には平和への願いがある。

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