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堀井学氏、地元戻らず都内転々「自分が香典出したと伝わる必要あった」…辞職表明は秘書通じて文書配布のみ

読売新聞 / 2024年8月30日 7時5分

 「政治とカネ」を巡る複数の違法行為があったとして、自民党を離党した堀井学・前衆院議員(52)(議員辞職)が29日、政治資金規正法違反と公職選挙法違反で略式起訴され、東京簡裁から罰金100万円などの略式命令を受けた。東京地検特捜部が自民党派閥の裏金事件を機に捜査を進め、香典や枕花の違法提供を突き止めた形だ。党総裁選後の衆院解散と総選挙が予想される中、北海道内の党関係者からは「逆風」の強まりを懸念する声が上がる。

継続を要求

 「違法なことと分かっていたが、慣例でやめられなかった」。略式命令の対象となった香典と枕花などの提供について、堀井氏の元秘書の一人が打ち明けた。

 公選法は選挙区内での枕花の提供を禁じ、香典も議員本人が手渡さなければならないと定める。だが、堀井氏の事務所では、遅くとも衆院選に初当選した2012年以降、議員本人が赴かない形の香典配布が繰り返されていた。堀井氏が自らLINE(ライン)などで秘書らに指示を出していたという。

 公選法に違反することを懸念した当時の秘書が中止を申し出たこともあったが、堀井氏は継続を要求した。起訴状によると、香典と枕花の違法提供は21年10月からの2年間に限っても56回。この秘書は「議員本人だけでは支持者らの冠婚葬祭を回りきれない。地元政界では秘書が代わりに持参するのは当たり前との意識があった」と振り返る。

 今回の捜査の端緒は、特捜部が昨年12月から今年1月にかけて自民党議員らに行った派閥の事件の聴取だった。堀井氏の事務所では18~21年に2196万円が裏金化していたことが判明し、関係者に事情を聞く過程で香典などの違法提供の疑惑が浮上したという。

 特捜部は今春以降に元秘書らへの聴取を本格化させ、7月には登別市の堀井氏の自宅や事務所などの関係先を強制捜査。地元には戻らず、東京都内を転々としていたという堀井氏は特捜部にこう供述した。「自分が香典を出したことが相手に伝わる必要があった」

公に発言なく

 堀井氏が公の場で発言したのは、6月に道庁で次期衆院選への不出馬を表明したのが最後だ。略式起訴前日の28日に文書で議員辞職を表明したが、それも秘書を通じて報道機関に配布するのみ。地元の北海道登別市でスポーツ協会の会長を務める高橋一栄さん(78)は、「あまりにも地元や国民をなめているのではないか」と憤りをあらわにした。

 次期衆院選を控える道内の党関係者もイメージの悪化に頭を抱える。

 略式起訴を受けて取材に応じた党道連の中村裕之会長は「順法精神を持ち、地道に信頼回復に努めるほかない」とコメント。裏金事件で党の処分を受けた北海道5区の和田義明・衆院議員も「問題を重く受け止めている」と語り、「判断は有権者に委ねられている。地域・国のために尽くして審判を仰ぎたい」と続けた。

山本健太郎・北海学園大教授(政治学)の話「堀井氏が略式起訴の直前に辞職したことは、『裁判官の心証を良くしよう』という利己的な姿勢を印象づけたのではないか。有権者の納得を得ようともしておらず、非常にまずい表舞台からの消え方だった。裏金疑惑を抱える他の議員は説明責任を果たしているかどうか、次の衆院選で有権者が注目すべきポイントだろう」

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