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鈴木孝幸がパラリンピック11個目のメダル、21歳の北京で作った日本記録を16年ぶりに更新

読売新聞 / 2024年8月30日 11時19分

男子50メートル平泳ぎ、金メダルを獲得した鈴木孝幸の力強い泳ぎ(29日)=須藤菜々子撮影

 パリ・パラリンピックは第2日の29日、競泳の男子50メートル平泳ぎ(運動機能障害SB3)決勝が行われ、鈴木孝幸(37)(ゴールドウイン)が48秒04で金メダルを獲得した。鈴木はパラリンピック通算11個目のメダルとなった。

 勢いよく飛び込んだ鈴木は終始先頭を譲らなかった。浮き上がりから大きくリードを奪い、全身を使った力強い泳ぎでレースを引っ張った。ラスト5メートルは息継ぎなしで1位のままゴールへ。「思い描いた通りの泳ぎ。やってきたことが報われてすごく幸せ」。左手を突き上げて喜びをかみ締めた。

 生まれつき右腕のひじから先がなく、左手の指は3本だけ。両足も付け根までしかない。パラは6大会連続出場となり、今大会は37歳で迎えた。酷使した肩には慢性的な痛みを抱え、昨年は泳ぐ距離や回数にも制限を設けていた。「アスリート人生の『終活』をしている」と語るなど、残りの現役生活が長くないことも自覚する。

 それでも「記念で大会に出たくはない」。かつては五輪選手と同じ練習場所を使えず、競技者として認められていない現実を痛感した。「五輪選手と同じように結果を評価してほしい」との思いを強くし、誰よりも勝つことに執着してきた。

 この日の記録は48秒04。21歳だった2008年北京大会で樹立した日本記録(48秒49)を、37歳にして塗り替えたところに競技者としての意地が詰まっている。

 今大会の日本選手団のスローガンは「挑め、自分史上最強」。その言葉を真っ先に体現し、「競技初日から勢いを生めたと思う。これが日本チームに広がってくれたら」。ベテランスイマーは満足そうにほほ笑んだ。(森井智史)

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