広瀬めぐみ・前参院議員をきょうにも在宅起訴へ、国から秘書給与三百数十万円を詐取か…東京地検特捜部

広瀬めぐみ・前参院議員

　広瀬めぐみ・前参院議員（５８）（１５日に議員辞職）の公設秘書給与を巡る詐欺事件で、東京地検特捜部は３０日にも広瀬氏を詐欺罪で在宅起訴する方針を固めた。国から詐取した秘書給与などは三百数十万円に上るとみられる。広瀬氏の指示で事件に関わった当時の公設秘書らについては立件を見送る見通し。

　広瀬氏は公設第２秘書だった女性に勤務実態がないことを知りながら、２０２２年１２月から昨年８月、国から支払われる秘書給与などをだまし取った疑いがあるとして、７月３０日に特捜部の捜索を受けた。公設第１秘書が広瀬氏の指示で妻である女性の名義を貸し、秘書給与のほぼ全額を広瀬氏に渡していたという。

　広瀬氏は女性を公設秘書として採用すると国に届け出たが、実際には女性は、広瀬氏の選挙区である岩手県遠野市にある不動産関連の社団法人で働いていた。

　広瀬氏は今年３月に自身のウェブサイトで秘書給与疑惑を「事実無根」と否定していたが、特捜部の任意の事情聴取では、女性に勤務実態はなかったのに秘書給与を得ていたと説明している。

　特捜部は、弁護士でもある広瀬氏が給与詐取を主導し、詐取金の大半を得ていたことを重視し、議員辞職したものの刑事責任を追及すべきだと判断した。公設秘書も詐取金の一部を得ていたとされるが、関与が従属的だったため、立件は見送る方針だ。

　広瀬氏は２２年参院選に岩手選挙区から自民党公認で立候補し、初当選。特捜部の捜索を受けた後に同党を離党していた。