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レース直前に左手を胸に思い描いた泳ぎ冷静に実施…37歳鈴木孝幸、16年ぶり日本新で「金」

読売新聞 / 2024年8月30日 19時46分

男子50メートル平泳ぎで金メダルを獲得した鈴木孝幸(29日)=須藤菜々子撮影

 29日に行われたパリパラリンピック競泳の男子50メートル平泳ぎ(運動機能障害SB3)決勝で、鈴木孝幸(37)(ゴールドウイン)が日本新記録の48秒04をマークして金メダルに輝いた。日本勢の今大会初のメダル。

 レースの直前、鈴木はいつものように左手を胸に当てた。気持ちは高ぶっていたが、過度な緊張はなく「どこか冷静な部分があった」。思い描いた泳ぎを崩さず、日本勢1号の金メダルをつかみ取った。

 スタート台は事前合宿地よりも水面からの位置が高かったため、飛び込みの角度は深く潜りすぎないように鋭角に調整。トップで浮き上がった後は他のレーンを一切見ずに前進し、リードを広げた。練習で決めた通りのタイミングで息継ぎを行い、周囲の追い上げを受けた終盤に息継ぎなしに切り替えたのも計画通り。ベテランらしい落ち着いたレース運びで先頭を譲らず、この種目では北京大会以来16年ぶりの王者に。「チーム、自分自身としてもいいスタートが切れた」。静かな口調にも充実感が漂った。

 6大会連続出場の37歳。自由形などは30歳を過ぎても自己ベストを更新していたが、50メートル平泳ぎだけは21歳だった北京大会で出した48秒49で止まっていた。東京大会もこの種目は金を逃して銅メダル。「勝てなくなったら競技をやめる」と語る鈴木にとって、パリ大会はこの壁を破るラストチャンスという位置づけだった。岸本太一コーチとは「自己ベストで金を取り返す」と約束。水のかき方を見直すなど体が左右にぶれない独自の泳ぎを磨いたことで、48秒04の日本新記録を生み出した。

 「諦めそうになった時もあったが、21歳の自分を超えられた。この後の種目もどんどん超えていきたい」と鈴木。37歳にして過去をしのぐ充実ぶり。獲得メダル数をさらに伸ばしそうな勢いがある。(森井智史)

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