台風１０号、１人行方不明で負傷者１１４人

　台風１０号は３０日、九州北部を横断し、四国を東方へ進んだ。西日本のほか、台風から離れた東日本も記録的な大雨となり、静岡県や神奈川県では床下浸水や氾濫などの被害が出た。佐賀県と福岡県で新たに２人の死亡が確認され、台風による死者は計６人となった。

　佐賀県鹿島市の祐徳稲荷神社の参道で２９日午前、８０歳代男性が死亡しているのが見つかった。強風にあおられ転倒し、頭を打ったとみられる。福岡県築上町では、川の様子を見に行き、行方が分からなくなっていた８０歳代男性が３０日朝、下流で遺体で見つかった。

　読売新聞のまとめでは、３０日午後６時現在、１人が行方不明で、負傷者は九州を中心に計１１４人に上る。

　関東や東海も大雨に見舞われ、静岡県熱海市と神奈川県小田原市では、２４時間降水量が３００ミリ超に達し、観測史上最大を記録した。静岡県内では３０日午後２時までに、住宅計約５００棟の床下浸水が確認された。神奈川県二宮町では葛川が氾濫し、３０日午前、最も危険度の高い「緊急安全確保」が出された。

　気象庁によると、３１日午後６時までに予想される２４時間降水量は東海、近畿、四国で３００ミリ。ＪＲ東海によると、東海道新幹線は３１日、三島―名古屋間で終日運転を見合わせ、東京―三島間も午前中は運休する。名古屋―新大阪間は上下線とも１時間２本程度に減らす。

　台風は３０日午後９時、愛媛県四国中央市付近を時速２０キロで東へ進んだ。中心気圧は９９６ヘクト・パスカル、最大風速は１８メートル。９月１日までに熱帯低気圧に変わる見通し。