1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

あいつは何を待っていたのか…巨人・阿部監督のメモ、疑問も憤りも赤裸々に「閉じ込めているんだよね」

読売新聞 / 2024年9月1日 12時0分

試合中、メモを取る阿部監督(23日、東京ドームで)

[新風]巨人・阿部慎之助監督

 7月27日、横浜スタジアムでのDeNA戦。ダッグアウトで戦況を見つめていた巨人の阿部監督は、傍らにいた杉内投手チーフコーチの袖をぐいっと引っ張り、マウンドの先発・井上のもとへ走らせた。

 1点を先行していた三回のピンチで、好打者の佐野を迎えた場面だった。井上が外角に外した初球の直球に対し、監督は「明らかに(力を)抜いているように見えた。10年早い」と伝令を送った。活を入れられた23歳の左腕はふんどしを締め直し、6回1失点と力投。救援陣がリードを守り切り、チームは1点差の接戦をものにした。

 グラウンドに目を光らせ、気になることがあれば、すぐさま動く。指揮官の攻めの姿勢を象徴する一幕だった。

 阿部監督は攻撃、守備を問わず、椅子に腰をかけない。「なるべく(選手に)近い目線で見るのが大事だと思っている」と、全体を見渡せるベンチ前方に陣取る。打者やバッテリーへのサイン、コーチ陣への指示を出す上で、勝負所を逃さず察知するためだ。

 試合に向けるまなざしは、捕手だった現役時代さながら。「ここは(バッテリーが)インコースにいかないだろうから、最初からあっちに寄せちゃおうとか、ヨーイドンで守備位置を変えたい」。扇の要として培った読みや洞察力が随所でさえを見せているが、「どうしても、捕手目線になっちゃうんだよね」と頭をかく。

 采配を振るう立場となり、気になったプレーをメモに書き留めるようになった。「(打席で)あいつは何を待っていたのか」などの疑問を書き残し、選手との対話や作戦立案にも生かす。プロらしからぬ姿勢に対する憤りや文句も赤裸々に記し、「メモに閉じ込めているんだよね」と明かす。怒りを静め、感情を制御することにも一役買っている。

 一つのプレー、一つの判断がチームの命運を分ける終盤戦。「サインにしても、継投にしても、十分に重みを感じています」。緊迫の優勝争いに身を置く選手たちと同様に、しびれるような日々を過ごしている。(平山一有)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください