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奄美大島のマングース根絶宣言へ…ハブ退治期待し移入、実際はアマミノクロウサギなど襲うため駆除

読売新聞 / 2024年8月31日 17時53分

捕獲されたフイリマングース(環境省提供)

 鹿児島県・奄美大島で駆除が行われてきた特定外来生物のフイリマングースについて、環境省が近く根絶を宣言する見通しとなった。島内では2018年を最後に捕獲されておらず、有識者検討会が9月3日に現状を評価する。根絶宣言されれば、世界的にも珍しい大規模駆除が成果を上げた形となる。

 同省によると、マングースは毒蛇のハブを退治すると期待され、1979年に約30匹が島内に持ち込まれた。しかし、日中に活動するマングースは夜行性のハブをほとんど捕食できず、国の特別天然記念物のアマミノクロウサギなど在来種を襲ったため、一転、害獣とされた。

 マングースはピーク時には推定1万匹に増加。駆除は93年に始まり、2000年から本格化した。島内に約3万個のわなや、監視用のセンサーカメラが設置されたほか、地元住民らも捕獲専門チーム「奄美マングースバスターズ」を結成。捕獲数は3万2600匹に上った。

 最後に捕獲されたのは18年4月だ。根絶の成否を評価する有識者検討会は今年2月、捕獲がない状況が続くことから根絶確率を99・8%または98・8%と算出し、「現状であれば根絶したと判断できる」と仮評価した。

 次回の会合で、最新データを基に改めて評価する。状況に変化がなければ、同省は根絶宣言を発表する見込みだ。15年には、特定外来生物の北米原産の鳥「カナダガン」について、国内での根絶が発表された。

 鹿児島国際大の船越 公威 きみたけ名誉教授(哺乳類学)は、「駆除によって在来種の個体数が回復し、奄美大島の世界自然遺産登録につながった。駆除には長い年月と多くの労力がかかる。『人が外来種を持ち込まないこと』を教訓にしなければならない」と話している。

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