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防災の日 災害情報への理解を深めたい

読売新聞 / 2024年9月1日 5時0分

 1月に能登半島地震が起き、8月には南海トラフ地震の臨時情報が初めて発表された。巨大地震の脅威を現実のものとして捉え、例年にも増して防災訓練に力を入れたい。

 大地震は、日本列島のどこでも突然、起こり得る。年明け早々に能登半島を襲った地震は、深刻な被害をもたらし、「日本海側は地震が少ない」という誤った印象は打ち消された。

 一方で、南海トラフ地震の臨時情報(巨大地震注意)は、地震発生のリスクが高まったと事前に知らされた場合、自治体や住民がどのような対応をとればいいのかという難しい問題を突きつけた。

 夏休み期間と重なり、海水浴場の閉鎖や花火大会の中止に踏み込んだ自治体もあった。初めての発表で、対応に戸惑った自治体は多かった。再び臨時情報が出る時に備えて、自治体は、平時から防災対策を検討すべきだ。

 注意が出たからといって、一律に日常生活を制限するのは適切とは言えない。自治体の実情を勘案して行事の見送りなどの対策をとるのであれば、「空振り」に終わっても無駄とは言えず、今後に生かされるのではないか。

 臨時情報の制度自体が十分に知られていたとは言い難い。政府は今回の対応を検証し、分かりやすい発表の仕方を考えてほしい。

 南海トラフ地震だけでなく、東北から北海道沖にかけての日本海溝・千島海溝でマグニチュード(M)7クラスの地震が起きた場合にも、同様の「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されることが2年前に決まった。

 この地域ではM7クラスの地震が珍しくなく、注意情報の発表は2年に1回程度とも見込まれている。いつそのタイミングが来てもおかしくない。南海トラフと併せて、対応を詰めておきたい。

 地震に加え、近年は、夏場の酷暑や豪雨、台風などによる複合災害の危険が高まっている。このため防災気象情報は年々、拡充されてきたが、逆に情報過多となり、受け取る側の住民や自治体が消化しきれない問題も生じている。

 洪水、土砂災害、高潮などの災害別に、「注意報」「警報」「特別警報」などがあるが、用語の使い方がバラバラで「理解が難しい」と不評だという。気象庁は、用語や表記を統一し、直感的に理解できる体系に整理する方針だ。

 情報を正しく理解し、適切な行動につなげるには、情報を発信する側と受け取る側の双方の努力が求められる。

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