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地震・大雨で孤立が懸念される万博会場・夢洲、帰宅困難者の脱出に船…防災実施計画に盛り込む

読売新聞 / 2024年9月1日 11時14分

 2025年大阪・関西万博の災害対策をとりまとめた日本国際博覧会協会(万博協会)の「防災実施計画」の内容が判明した。地震で会場の人工島・ 夢洲 ゆめしま(大阪市此花区)と対岸を結ぶ橋やトンネルが通行止めとなって孤立が長期化する場合、帰宅困難者の輸送手段の一つとして船舶を活用することを盛り込んだ。2日に公表する。

 夢洲から移動する主な交通手段は、夢舞大橋、夢咲トンネル、大阪メトロ中央線(地下鉄)の3ルートに限られており、地震や大雨、暴風で来場者が孤立することが懸念されていた。

 実施計画では、地震・津波発生時について「安全の確保」「救援・安心の提供」「環境の変化・改善」「環境の安定化」「帰宅」まで5段階に分けて対応・手順を明確化。一時的な滞在場所として、会場内のEXPOホール(延べ床面積8400平方メートル)などの催事施設やパビリオンに加え、環状の大屋根(リング、1周約2キロ)も想定している。

 来場者を帰宅させる際、バスのほか、徒歩での帰宅も検討する。道路が損傷するなどして孤立が続く場合は、大阪府・大阪市に船舶による代替輸送も要請する。夢洲東側のコンテナターミナルに大型船を着岸できるよう国と調整を図る。

 南海トラフ地震で想定される津波の高さは、最大5・4メートル。会場は、海面から11メートル程度の高さがあり、満潮時の津波でも5メートル以上の余裕がある。南海トラフ地震臨時情報の発表時、自治体や交通機関と連携して対応する。

 台風の接近時には、最接近する1日前に会場を閉園するなどの対応を検討するとしている。落雷の危険がある場合、大屋根の上部に設ける遊歩道や、約1500本の樹木が植わる会場中央の「静けさの森」からの退避を呼びかけ、必要に応じて立ち入りを制限する。

◆防災実施計画=万博協会は昨年12月、想定する災害規模や被害をまとめた「防災基本計画」を策定しており、実施計画は基本計画を前提に、円滑な避難誘導を行うための災害時の組織体制や災害想定ごとの対策、関係機関との役割分担を定める。

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