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せっかく連続テレビ小説決まったのに…観光ガイド不足、高齢者の働き方変化が背景

読売新聞 / 2024年9月1日 14時2分

松江城周辺を案内するガイド(松江市で)=松江観光協会提供

 松江市の松江城とその周辺を案内する「松江市観光ボランティアガイドの会」が、会員の高齢化やシニア世代の雇用環境の変化で担い手確保に苦戦している。コロナ禍明けの観光需要の回復に加え、来秋には松江ゆかりの作家・小泉八雲の妻セツをモデルにした、NHK連続テレビ小説「ばけばけ」が放送予定。関係者は「このままでは、お客様のおもてなしができなくなる」と危機感を募らせる。(門間圭祐)

 会は、1989年に市内であった全国菓子大博覧会に訪れた人たち向けに、観光案内をしたのが始まり。2000年に会が発足した。日曜に松江城のそばにある大手前駐車場の詰め所「だんだんハウス」を拠点とする「常駐ガイド」と、松江観光協会に申し込んだ個人や団体向けの「依頼ガイド」を軸に、城の天守内部や周辺を案内している。

 ガイドの担い手は当初、定年退職後のシルバー人材が中心だったが、定年の延長や退職後の再雇用など雇用環境の変化、会員の高齢化で人材が集まりにくくなっている。会員は現在、87人。今年は研修を経て9人の入会者を確保したものの、死亡退会などで退会者数も同数となり、引野律子会長(75)は「このままゼロが続くと、今の体制を維持できなくなる」と嘆く。

 一方、昨年5月の新型コロナウイルスの5類移行で観光需要が回復する一方、ガイドの受付数は伸び悩んでいる。コロナ禍前の19年には2398件だった受付数が、23年は1234件と半数程度にとどまるのは、人員不足を理由に受け付けを断らざるをえないことが多いからだという。

 引野会長は「セツのドラマが放送され、これから松江が全国に注目される。この機会にガイドになって、八雲を魅了した松江の魅力を観光客にPRしてほしい」と新たな担い手を期待する。

 会ではガイド養成講座の受講生を11月末まで募集している。座学や実地の研修などを経て、来年4月にガイド証が交付される。講座の問い合わせは、松江観光協会ガイド受付窓口(0852・26・2011)。

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