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木村敬一「金」、ゴール後一呼吸置いてガッツポーズ…表彰式では「歓声受けることに集中」

読売新聞 / 2024年9月1日 18時30分

競泳男子50メートル自由形で金メダルを獲得した木村敬一(8月31日、パリ郊外で)=須藤菜々子撮影

 パリ・パラリンピックは大会第4日の8月31日、競泳の男子50メートル自由形(視覚障害S11)決勝が行われ、木村敬一(33)(東京ガス)が日本新記録の25秒98で金メダルを獲得した。パラリンピック5大会連続出場の木村は、通算9個目のメダルで、金メダルに輝くのは2度目。この種目では、2016年リオデジャネイロ大会の銀に続く2個目のメダルを手にした。

 50メートルを泳ぎ終えても周りの見えない木村は大歓声が自分に注がれているとは気づかない。一呼吸を置いて1位であると知らされ、ようやく抑えきれない感情が全身を駆け巡った。「本当に俺かと思った。金は予想しなかった」。右手を高く掲げ、何度も跳びはねて水しぶきを上げた。

 スタート後はいつものようにコースロープに体を寄せ、その「目印」を頼りにゴールへの道筋を確認。そこから一気の加速で先頭争いに加わった。体を棒でたたいてタッチのタイミングを知らせる「タッパー」の合図を信じ、見えない壁が迫るゴール前でもスピードは緩めない。最後のもう一伸びで抜け出し、大接戦を僅差で制した。自身の日本記録も0秒07縮め、「準備からゴールタッチまで完璧」と振り返った。

 本職は東京大会金メダルのバタフライ。昨年から五輪銅メダリストの星奈津美さんとともにフォームを一新し、腰が反ってしまう姿勢を水平に近づける改良を加えた。これが「自由形でも生かせた」と木村。腹筋を締める意識によって腰が落ちなくなり、体の位置は水面に近づいて抵抗を受けにくくなった。安定した姿勢は一かきで進む効率も高め、決勝の泳ぎは以前よりストロークの回数が5回ほど減少。「全体重が腕に乗って進む」と表現する泳ぎで金メダルをつかみ取った。

 無観客だった東京大会の表彰式は大泣きしたが、今回は涙がなかった。「落ち着いて歓声を受けることに集中した。東京の時は味わえなかった欠けていた部分。足りなかったところを埋め直せた」。喜びをかみ締めるように、君が代に聴き入った。(森井智史)

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