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右腕1本で「銀」窪田幸太、思春期には「水泳やめる」…母の「可能性ある未来を潰すの?」で奮起

読売新聞 / 2024年9月1日 18時13分

競泳男子100メートル背泳ぎで銀メダルを獲得した窪田幸太選手(8月31日、パリ郊外で)=須藤菜々子撮影

 パリ・パラリンピックは第4日の31日、競泳の男子100メートル背泳ぎ(運動機能障害S8)決勝が行われ、窪田幸太(24)(NTTファイナンス)が1分7秒03で銀メダルを獲得した。

フォーム改良、スピードアップ

 【パリ=波多江一郎】競泳男子100メートル背泳ぎで銀メダルを獲得した窪田幸太選手(24)は思春期の頃、動かない左腕を人に見られるのが嫌で水泳を諦めかけた。救ったのは、母親の厳しくも愛情あふれる一言だった。

 千葉市出身。生まれつき左腕に障害があったが、右手で器用に着替えをし、水泳などいろんなスポーツに挑戦する活発な少年だった。しかし中学3年の頃、道行く人がみな、自分の左腕を見ている気がして、長袖のシャツを着たりタオルで隠したりするようになった。

 「なんでこんな手で生まれたの? 水泳なんかやめる」。ある日、母親の純子さん(55)に詰め寄った。純子さんはあえて強い言葉で返した。「やめたら何が残るの? 障害がある子としか見られないよ。可能性ある未来を自分で潰すの?」

 自らの将来を考えた末にたどり着いた答えは、「水泳のほかにやりたいことはない」。再びプールに戻るとまもなく、パラ水泳の育成指定選手に選ばれ、高校1年で国際大会を経験。前回の2021年東京パラリンピックにも出場した。

 今大会に向け、バタ足と両足キックを織り交ぜたフォームに改良し、スピードアップ。本番も普段通り、右腕1本で懸命に水をかき、悲願の初メダルを手にした。

 「応援してくれる人たちの前でメダルを取れて、ほっとしている」と窪田選手。スタンドで応援していた純子さんは「一番心配だった子が、メダリストになって親孝行をしてくれるなんて」と目を真っ赤にしていた。

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