ノンフィクション作家の佐々涼子さん死去、５６歳…「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」で開高健ノンフィクション賞

佐々涼子さん（２０１４年６月撮影）

　人間の死や生をテーマにした作品で知られるノンフィクション作家、佐々涼子（ささ・りょうこ、本名・渡辺有美子＝わたなべ・ゆみこ）さんが１日、悪性脳腫瘍で死去した。５６歳だった。告別式は近親者で行う。喪主は夫、渡辺健夫氏。

　早稲田大卒業後、日本語教師を経てフリーライターになった。２０１２年、海外で客死した人の遺体を運ぶ仕事に密着した「エンジェルフライト　国際 霊柩 （れいきゅう）送還士」で開高健ノンフィクション賞を受賞。２０年の「エンド・オブ・ライフ」では、がん患者となった訪問看護師が在宅医療を受ける姿を見つめた。

　２３年１１月に出したエッセーとルポルタージュの作品集「夜明けを待つ」の中で、自らが悪性の脳腫瘍にかかっていることを明かしていた。