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引退考えながら挑戦した6度目パラ、39歳木村潤平メダル届かず「何度挑戦しても難しい」

読売新聞 / 2024年9月3日 6時32分

バイクで力走する木村潤平(2日)=古厩正樹撮影

 パリパラリンピックは2日、セーヌ川の水質悪化で延期されていたトライアスロンの競技が行われ、男子(車いす)の木村潤平(39)(CAF)は8位だった。6大会連続でのパラリンピック出場だが、パリ大会はこれまでと違い、常に「引退」を考えながらたどり着いた。6度目にしてもメダルに届かず「何度挑戦しても難しい。本当にメダルを取りたかった」と悔しさをにじませた。(デジタル編集部 池田亮)

 車いすのクラスは、セーヌ川での「スイム」750メートル、あお向けの姿勢で手こぎのハンドサイクルを利用する「バイク」20キロ、車いすレーサーで走る「ラン」5キロで実施。木村はスイムで「太陽の光が目に入り、混乱してしまった」と5位。バイクでは9位まで順位を落とした。最後のランで懸命に前を追い、悔しそうな表情を見せながら8位でゴールした。

「競技続ける価値、あるか」

 「いつ現役が終わっても後悔しないようにと、考えながら戦ってきた3年間でした」

 パリ大会が1か月前に迫った8月上旬、木村はそれまでの歩みをこう振り返った。

 生まれつき下半身に障害があり、5歳の頃から生活をする上で松葉づえが欠かせない。2004年アテネ大会から競泳で3大会、16年のリオ、東京とトライアスロンでパラリンピックに出場し、東京大会で6位入賞。「幸せな時間を過ごせた」と達成感を味わった。

 この3年間、ベテランの域に達したことも重なり、思うように結果を残せない時期もあった。そんな時に頭をよぎったのが「競技を続ける価値があるのだろうか、周囲もそう感じているのではないか」との思いだ。引退と隣り合わせのなか、「これが最後かもしれない」と思いながらも、5月の世界シリーズ横浜大会や6月のアジアパラ選手権(フィリピン)など、選考レース終盤でポイントを重ね、パリ大会への切符を手にした。

 レース後、「支えてくれた人たちの気持ちに対し、恥ずかしくない走りはしっかりできた」と充実した表情を見せた。20年もの間、パラリンピックに出続けて感じたのは「大会は新しくなっても、出場する選手はみんな普遍的に輝いている」という最高峰の舞台が持つ魅力。今大会に向けても「死にものぐるいで準備してきたし、やれることは全部やりきった」と言い切れるが、目標としていたメダルにはまたしても届かなかった。

 最後に「(パラリンピックに)また戻ってきたいか」と問われた木村。「何度来ても素敵な場所だし、いつでも戻ってきたい」と力を込めた。夏の「忘れ物」を追いかけ、39歳の挑戦はまだまだ続きそうだ。

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