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変動型住宅ローン金利上昇へ、連動する短プラを3メガ銀が17年ぶりに引き上げ年1・625%に

読売新聞 / 2024年9月2日 20時0分

オープンハウスグループのショールームで、購入予定の住宅について相談する利用客(8月31日、東京都渋谷区で)

 三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは今秋以降、住宅ローン金利(変動型)を引き上げる見込みだ。3行が2日、変動型の金利を左右する「短期プライムレート(短プラ)」を年1・625%と、約17年ぶりに引き上げ、住宅ローン金利を動かす準備も整ったことになる。インターネット銀行は先行して引き上げており、消費者への影響も出始めている。(佐藤寛之、岡田俊一)

 「住宅は大きな買い物なので、金利上昇は不安だ」

 8月31日、東京都渋谷区にあるオープンハウスグループのショールームを訪れた横浜市の公務員男性(29)が打ち明けた。結婚を機に、4000万円超のローンを組んで市内に戸建てを検討している最中で、「金利が低いうちに早めに返済したい」という。

 メガバンクや地方銀行が手がける住宅ローンの変動型金利は短プラに連動している。短プラに1%程度を上乗せした基準金利に、顧客の信用度などを踏まえて優遇幅を決め、最終的な金利を算出している。

 3メガバンクは短プラを、日本銀行が7月末に決めた政策金利の引き上げ幅と同じ0・15%分だけ上げた。日銀が長年、政策金利をゼロ近辺にしていたため、短プラはこの間、横ばいで推移してきたが、「金利のある世界」への回帰が進む。新規に変動型ローンを組む場合、10月以降は金利が上がる可能性がある。既に借りている人も、順次上がりそうだ。

 ネット銀はメガバンクや地銀に先駆けて金利を引き上げている。PayPay銀行は8月29日、変動型の基準金利を10月から0・15%引き上げて年2・430%にすると発表した。auじぶん銀行も10月から、0・25%引き上げて2・591%にすると8月に発表した。

 ネット銀の多くが先行して金利を引き上げるのは、変動型金利を短プラに連動させず、様々な市場金利の実勢に応じて決めているためだ。

 またメガバンクは、日銀が16年2月にマイナス金利を導入した際、短プラを引き下げなかった。一方でネット銀は顧客獲得のために金利を下げていたため、今回の金利上昇局面では、メガバンクよりも先に動いているという面もある。

 住宅ローン利用者の7割超は変動型を選んでおり、金利上昇で負担が増す人は多くなりそうだ。一方、政策金利の上昇を受け、3メガバンクは普通預金の金利を0・10%とし、同水準で並んだ。預金金利が今後も上昇を続ければ、家計には恩恵となる。

 企業への影響はどうか。短プラはそもそも、企業に短期資金を貸し出す際の基準となる金利だった。しかし現在では大手行の多くが、別の市場金利を基準に貸出金利を設定している。ある大手行幹部は「貸付金のうち短プラに連動しているものはわずかで、ほとんど影響はないだろう」と話した。

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