観光列車「ＳＬ人吉」けん引した大正生まれの蒸気機関車、小倉で見学会…人吉市への譲渡前に

ＳＬの間近まで迫って撮影を楽しむ参加者ら

　今年３月に引退した観光列車「ＳＬ人吉」をけん引した蒸気機関車（ＳＬ）の見学会が２日、北九州市小倉北区のＪＲ九州小倉総合車両センターで開かれた。熊本県人吉市への譲渡前にＪＲ九州が開催する最後の見学会で、鉄道ファンら延べ約４０人が参加した。

　ＳＬは、１９２２年（大正１１年）製造の「５８６５４号機」。ＳＬ人吉として２００９年から運行され、老朽化などのために営業運転を終えた。１１月に始まるＪＲ人吉駅前での展示に向けた準備のため、保管されていた熊本車両センター（熊本市）から移送され、２日午前に到着した。

　見学会に参加した鉄道ファンらは、ＳＬの整備の様子や運転台の中を見学し、普段は近づくことができない車両の間近まで迫ってカメラやスマートフォンで撮影を楽しんでいた。

　熊本市北区の男性（３４）は「子どもの頃から何回も乗ったので良い思い出になると思って参加した。１００年以上動いてくれてお疲れさまという気持ちだが、またいつか復活して走る姿を見せてほしい」と語った。