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車いすラグビー日本「金」、因縁のアメリカに「恩返し」…序盤劣勢も「強いディフェンス」で逆転

読売新聞 / 2024年9月3日 6時14分

車いすラグビーで米国に破って金メダルを獲得し、喜ぶ池透暢(左)ら(2日、パリで)=古厩正樹撮影

 パリパラリンピックの車いすラグビーは2日、決勝が行われ、世界ランキング3位の日本は同2位のアメリカを48-41で破ってパラリンピックでは初めてとなる悲願の金メダルを獲得した。

 第1ピリオド、アメリカのパスカットに手こずって日本は11-14と苦しいスタートになったが、それはこの試合での日本の強さを見せつける「序章」に過ぎなかったようだ。

 第2ピリオド以降は、日本が強いディフェンスで形勢を逆転させた。3分過ぎにキャプテンの池透暢がスチールからトライ、残り1分近くにはチーム最年少の22歳、橋本勝也が相手の高いパスをブロックするように奪い取ってそのままトライ。展開上有利となる「ラストトライ」(ピリオド最後のトライ)も挙げて優位に立った。

 車いすラグビーは、オフェンス側が有利なスポーツで、1点ずつ交互に得点が入る展開が一般的だ。そこで相手のボールを奪って攻撃権を奪えば、点差を広げることが出来るが、第3ピリオドの日本は、アメリカのミスを誘うなどして3度の連続得点でリードを広げた。ゲームの流れを変えるために、1試合4回まで選手が要求できる戦略的なタイムアウト(30秒)のルールがあるが、日本はアメリカにこのピリオド途中ですべてを使い切らせた。この時点で大勢は決した。最終ピリオド、ミスを連発するアメリカにとどめを刺すゴールラッシュで締めくくった日本が歓喜の瞬間を迎えた。

 銅メダルだった前回東京大会のメンバーが12人中11人残り、パリでの「金メダル」だけを目標に強化を続けてきた日本。今年の主要大会ではアメリカに3連勝、そしてこのパラリンピックでも1次リーグでは45-42で勝利しており、過去パラ大会で金メダル2度の相手に対しても気後れはなかった。橋本の19点に次ぐ16点を挙げた池は「(序盤に)3点リードされたが、僕たちがこれまで積み重ねた年月はそんな3点に負けるものじゃなかった」と誇らしげに語った。

 アメリカとの因縁はまだある。日本は昨夏のアジア・オセアニア選手権で優勝して、団体競技では日本勢第1号となるパリ切符をつかんだが、その大会を最後に、ケビン・オアー前監督が健康上の理由などで退任した。2017年から日本代表を指揮し、18年世界選手権で日本を初の金メダルに導いたアメリカ出身の名将だ。日本車いすラグビーにとっては、これ以上ない恩返しとなった。(デジタル編集部)

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