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自閉症でも英国で武者修行の平泳ぎ山口尚秀…「五輪選手の記録に近づく」目標、持ち越し

読売新聞 / 2024年9月3日 19時12分

男子100メートル平泳ぎで力泳する山口尚秀(2日)=木佐貫冬星撮影

 2日に行われたパリパラリンピックの競泳男子100メートル平泳ぎ(知的障害)で、山口尚秀(四国ガス)が1分4秒94で銅メダルを獲得した。前回東京大会に続く連覇はならなかった。女子100メートル平泳ぎ(知的障害)の芹沢美希香(東急プロパティマネジメント)は1分19秒38で6位だった。

 前半と後半で別人のように泳ぎが変わった。山口は浮き上がりから快調に飛ばし、折り返しは自身の持つ世界記録とほぼ同じペースだった。しかし、終盤に差し掛かった途端に動きが重くなり、後続にのまれた。最後はタッチの差で3位。「ストロークで腕が張ってしまったし、きつかった部分が多かった」。連覇と記録更新という目標を逃し、歯がゆさをにじませた。

 前回東京大会を世界記録で制し、2023年には、それを1分2秒75まで更新。世界選手権は3連覇と敵なしで、自らの記録との戦いが続いてきた。3歳の頃、知的障害を伴う自閉症と診断されている。トップであり続けるために精神面のコントロールは難しく、練習との向き合い方にも苦しんだ。パリ五輪代表の鈴木聡美(ミキハウス)と一緒に練習したり、英国へ武者修行に赴いたりして、刺激の多い環境で努力を重ねた。

 パラスポーツの発展を願い、「五輪選手の記録に近付くことで注目度が上がる。連覇も重要」と語ってきた。その望みはかなわなかったが、「頑張ったかなと思うし、悔いはない。また調子を取り戻せたら」。メダルを手にすると、ようやく笑顔を見せた。2大会連続の表彰台も十分に価値がある。(森井智史)

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