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少子高齢化進む韓国、外国人労働者の受け入れ拡大…不法滞在や外国人犯罪増加を懸念する声

読売新聞 / 2024年9月3日 19時25分

3日、韓国人家庭で家事支援を始めたフィリピン人女性=ソウル市提供

 【ソウル=小池和樹】韓国政府が外国人労働者の受け入れを拡大している。急速な少子高齢化による働き手不足を背景に、 尹錫悦 ユンソンニョル政権は外国人労働者の受け入れを進める考えだ。

 フィリピン人女性ら100人は3日、ソウル市内の約140世帯で家事支援を始めた。8月上旬に入国してから1か月間、韓国語教育や生活指導などを受けてきた。申請した700世帯以上から選ばれた共働き家庭や多子世帯などに派遣され、来年2月まで子供の世話や家の掃除などを行う。ソウル市は3日、笑顔で韓国人の子供の世話をするフィリピン人女性の様子を公表し、事業の順調な滑り出しをアピールした。

 韓国政府は2004年、人手不足の製造、建設、サービス、農畜産、水産の5分野で外国人労働者に「非専門就業」の資格を与え、期限付きの単純労働を認める制度を導入した。家事支援は対象外で、外国人の就労は結婚移住者など一部に限られていたが、韓国政府は今回試験的にフィリピン人の家事支援就労を認めた。試験結果を踏まえ、受け入れ拡大を今後検討する。

 韓国は04年の制度導入以降、労働者を送り出すベトナムやフィリピンなど十数か国と協定を結んだ。韓国語教室を開くなど定着支援に力を入れ、受け入れ業種も拡大してきた。非専門就業資格で今年受け入れる外国人労働者は16万5000人を予定しており、コロナ禍前の19年の約3倍に上る見通しだ。現在はこの資格で30万人余りが暮らしており、在留外国人全体の12%を占める。

 韓国の昨年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の推計人数)は0・72と世界最低水準を記録した。高学歴化が進み、製造業などの担い手は外国人労働者なしでは立ち行かないと指摘されている。工場では管理職だけが韓国人で働き手が外国人というケースは珍しくない。

 韓国政府は昨年末、外国人政策を一元的に管理する「出入国・移民管理庁(仮称)」の新設案を公表した。永住する移民の本格的な受け入れを視野に入れている模様だが、不法滞在や外国人犯罪の増加などを懸念する声も出ている。

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