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車いすラグビー、「1cm単位の守備」で頂点…年齢も障害も違う選手12人「家族」の連係

読売新聞 / 2024年9月3日 20時13分

車いすラグビーで金メダルに輝いた池崎大輔選手(中央)ら(2日、パリで)=古厩正樹撮影 

 パリ・パラリンピックは第6日の2日、車いすラグビー決勝で日本が米国を48―41で破り、金メダルを獲得した。この競技で日本の金メダルは初めてで、2016年リオデジャネイロ大会、21年東京大会の銅に続いて3大会連続のメダル獲得となった。

 米国との決勝は第1ピリオドで3点を追う苦しい出だし。ここから、磨いてきた守備力が光った。第2ピリオド、日本はコート上の4人が流れるように連動し、ボール保持者を囲い込む。相手に圧力をかけ、追い上げた。22―22と追いつき、相手が苦しまぎれに出したパスを橋本勝也(日興アセットマネジメント)がカット。チーム最年少22歳がそのままトライを決めて勢いに乗り、逆転に成功した。

 競り合いでも堅守は揺るがない。主将の池 透暢 ゆきのぶ(日興アセットマネジメント)と橋本の得点力がかみ合い、終盤に相手を突き放した。

 日本代表12人のうち、11人が東京大会の経験者。時間をかけて磨いた連係が強みだ。2016年リオデジャネイロから3大会連続出場の乗松聖矢(SMBC日興証券)は「連係にはコミュニケーションが絶対に必要。それが取れているのが前とは違う」と胸を張る。

 昨年夏から指揮を執る岸光太郎監督は、「細かいプレー、センチ単位の入り方」にこだわった。その「1センチ単位の守備」を可能にするのが、4人が同じプレーを頭に描き、個々が瞬時に判断して連係すること。「選手は障害もそれぞれ違うし、年齢も幅広い。相手の気持ちを理解することがプレーに生きる」と互いの声かけを大切にしてきた。大会中も「これは合宿でやった場面」と意思疎通を深め、5戦全勝で駆け抜けた。

 決勝でチーム最多19点を挙げた橋本は「チームは家族」という。橋本らの得点力が目立つが、障害が重い乗松や女子の倉橋香衣(商船三井)も守備で相手に食らいついた。「個人ではなく、チームの勝利」と乗松。一つになった日本が、ついに頂点に立った。(杉野謙太郎)

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