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井上尚弥がTKO防衛、優位予想の中でも「気を抜かないためにという意識で練習」

読売新聞 / 2024年9月3日 22時46分

TJ・ドヘニーを下して王座を防衛した井上尚弥(3日、有明アリーナで)=横山就平撮影

 ボクシング・ダブル世界戦(3日・有明アリーナ)――世界4団体スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)が、国際ボクシング連盟(IBF)同級元王者のTJ・ドヘニー(アイルランド)を7回TKOで下した。世界ボクシング評議会(WBC)、世界ボクシング機構(WBO)は3度目、世界ボクシング協会(WBA)、IBFは2度目の防衛に成功。自身の持つ日本男子の世界戦連勝記録を23に伸ばし、通算でもトップに並んでいた井岡一翔(志成)の22勝を上回った。世界戦の連続KO勝利記録が9に伸び、自身が2019年5月にマークした8連続を上回った。

 WBOバンタム級王者の武居由樹(大橋)は、同級1位の比嘉大吾(志成)を3―0の判定で破り、初防衛に成功した。

「ネリ以上」

 いつになく慎重な戦いだった。

 ドヘニーの左の一発を警戒し、右のガードを高く掲げ、決して不用意に攻め込まない。それでもボディーを要所で決めるなど相手を徐々に弱らせた。7回、ロープに詰めて連打を見舞うと、ドヘニーは腰のあたりを押さえて 苦悶 くもんの表情を浮かべる。その様子を見てレフェリーは試合を止めた。「ダメージは少なからず蓄積があったと思う。今日はしっかりセコンドの指示通り、丁寧に戦うところをイメージしてやった。内容的には悪くはなかった」と井上尚。前回、5月のルイス・ネリ(メキシコ)戦では1回にプロ初のダウンを喫したが、きっちりと修正した。ドヘニー陣営によると、ドヘニーは6回にパンチが当たって腰の神経を痛めていたという。

 井上尚にとって相手は37歳のベテラン。1位挑戦者でもない。圧倒的優位の予想の中、今回の一戦の敵は自分自身とも言えた。調整段階で意識したのは、「ネリ以上」。気の緩みを危惧し、前回の「東京ドーム決戦」以上に追い込むことを心がけた。「気を抜かないためにという意識で練習をした。一番よくやったという自負がある」。楽観視される相手にも決して油断しない。この姿勢こそ、無敗の快進撃を続けられる理由の一つだ。

 次戦は12月が有力で、相手はIBF、WBO1位のサム・グッドマン(豪)らが候補に挙がる。「(自分のボクシングは)まだ未完成。もっと上を目指して頑張りたい」。飽くなき向上心を胸に、モンスターはさらなる高みを目指す。(荒井秀一)

井上尚弥(いのうえ・なおや) 神奈川県出身。31歳。2012年デビュー。14年にWBCライトフライ級王者。同年に就いたWBOスーパーフライ級王座は7度防衛。18年にWBAバンタム級王座を獲得し、3階級制覇。19年にIBF、22年にWBCとWBOの同級王座を獲得し、日本人初の4団体統一王者に。昨年7月、WBC、WBOスーパーバンタム級王座を獲得し、4階級制覇。12月に史上2人目となる2階級での4団体統一を果たした。28戦全勝(25KO)。

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