「刺すぞ」と脅し女性を車内に監禁して現金など奪った容疑で指名手配の男、逮捕時の所持金は数百円

富山県警察本部

　富山市内で女性から車を奪って逃げるなどしたとして、富山県警は２日、住居不定、無職の男（６４）を監禁と強盗の疑いで逮捕した。事件は８月２０日に発生。県警は３日後に男を全国に指名手配し、行方を追っていた。

　発表によると、男は８月２０日午後０時４０分頃、同市上袋の商業施設駐車場で、７０歳代女性が運転する軽乗用車の後部座席に乗り込み、「刺すぞ」などと脅して、約４・４キロ離れた同市婦中町萩島の商業施設駐車場まで、約４５分間車を運転させて監禁。午後１時２５分頃、「カギはよこせ」と脅して女性を車から降ろし、そのまま乗り去って、車と現金入りのハンドバッグなどを奪った疑い。女性にけがはなく、車は岐阜県飛騨市内で乗り捨てられているのが見つかった。

　捜査関係者などによると、容疑者の顔を覚えて雑踏から見つけ出す「見当たり捜査」で警戒にあたっていた県警本部の捜査員らは、２日午後８時２５分頃、男が富山駅周辺の商業施設内のベンチに一人で座っているところを発見。身柄を確保した。事件発生の数日前から富山市内に滞在していたとみられる。また、女性から少なくとも数万円を奪ったとみられるが、発見時の所持金は数百円程度で、事件時から服装も変わっていた。

　調べに対し、男は「女性を脅して車内に監禁したり、車などを無理やり取ったりしたことに間違いありません」と容疑を認めているという。